駐在員・事務局員日記

ラオス女性の伝統服、「シン」をご存知ですか?

2014年09月09日  ラオス
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執筆者

ラオス・ビエンチャン事務所
太田 夢香

2012年4月よりラオス駐在。大学卒業後、米国の民間リサーチ会社勤務を経て、2009年にAARへ。東京でラオス事業を担当するほか、2009年のインドネシア・スマトラ島沖大地震や2011年の東日本大震災、2011年トルコ東部地震の緊急支援にも従事。

記事掲載時のプロフィールです

皆さんは、ラオスの伝統服をご存知でしょうか? ラオスの女性がいつも着ているのが、「シン」と呼ばれる巻きスカートです。普段着としてはもちろん、結婚式など特別な日にも着ますし、学校や企業の制服としても採用されています。今回はこのシンについて、ビエンチャンからご紹介します。

シンの着方図解

シンの着方。基本的には筒状の布です

私が初めてラオスのシンを見たときは、タイトスカートのようで窮屈そうという印象がありました。しかし、実際に着てみると、巻きスカートですがウエストの部分はホックで留めるだけなので、動きやすくて楽です。事務所にいるとき、私はほぼ毎日シンを着ています。素材は基本的には手織りの綿かシルクのです。大きな会議やイベントに出席する際は、シルク製のシンを着るようにしています。

ラオスの子どもたち

子どもたちも女の子(左二人)はシンを履いています

AARの事業式典の様子

事業に関する式典にて。この日はシルクのシンにしました(中央が筆者)

シンをオーダーメイド

太田の持っているシン

私のシンコレクション。気がついたら12着も!

私が持っているシンは12着。街中のお店には、色とりどりのシン用の布が売られています。シンの柄(織り方)も各地域で異なり、それぞれ伝統があります。ラオス人の女性は、布を購入して、生地を仕立て屋に頼みシンを作ってもらいます。

ビエンチャン事務所の現地女性職員バニダは、自分の村の人が織った布を預かって、ビエンチャンで知人に売っています。約2ヵ月に一度、彼女が事務所にシン用の布を持ってきて品評会をするので、節約の決意もむなしく、毎回新しい布を買ってしまいます。

今回は、バニダからシン用に赤い布を購入したので、赤いシンと、それに合わせたシャツも作ることにしました。シャツとシンの色は、青と水色、といったように同系色にすることが多いです。今回は赤いシンなので、生地屋さんでピンク色の生地を選びました。シャツ用の生地は1メートル20センチで3万キップ(約360円)でした。シン用の生地は、お店で購入すると一着分1000円くらいから数万円のものもあります。

生地屋さん

生地屋さんにはシンやシャツ用の生地が山ほど

シャツの記事を選ぶ太田

シンの色に合わせて、シャツはピンクの生地に決めました

早速、私の家の近くの仕立て屋さんで、 シャツとシンをオーダーメイドします。本当はシンプルなデザインのシャツにしたかったのですが、現地女性職員のピッピが、普段私が着ないような、ラオスで人気のフリルのついたシャツのデザイン図を描いてくれたので、それを基にオーダーすることにしました。約一週間で完成。仕立て料金は、シャツとシン合わせて1,500円ほどです。

仕立て屋さん入口

看板も出ていませんが、ここが仕立て屋さんなのです

仕立て屋の女性

自宅で仕立て屋を営む女性。生地を持ち込んで希望のデザインを伝えると縫ってくれます。小さい頃母に服を縫ってもらったことを思い出しました

太田とバニダ

シンとシャツが完成! 左が筆者、右は現地職員のバニダ

シンいろいろ
シンを着た三名

シンの生地の織りや装飾、仕立て方には、時代や地域によってラオス国内でも微妙な違いがあり、見比べると面白いです。一般に都会(ビエンチャン)の方が地方より丈が短いです。また、外国人向けにはタイトスカートのように仕立てたものも作られています。ラオス南部のものは生地にビーズが織り込まれていて、布自体が少し重く、着るとビーズがひんやりします。右の写真はシェンクワンでの活動での一コマ。右端の私も含め、三人のシンの柄や丈が微妙に違いますね。(AARラオス駐在員・安藤典子)

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