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難民を助ける会 創立30周年記念イベント報告

2009年12月04日  啓発
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1979年に会の前身である「インドシナ難民を助ける会」を設立してから30年。難民を助ける会は2009年11月2日、創立30周年記念イベントを文京シビックセンター(東京都文京区)にて、「社福・さぽうと21」の協力で開催しました。元難民の方々や各界で活躍する著名人をゲストに迎え、これまでの活動を振り返ると同時に、これからの国際社会で私たち市民に求められていることを考えました。おかげさまで、約250人以上の方々がご参加くださいました。

11月8日は相馬雪香前会長の命日でした。イベントは前会長をはじめ、これまで会に携わり鬼籍に入られた方々への黙祷から始まりました。冒頭挨拶で柳瀬房子会長は、会の設立にかけた前会長の思いを振り返り、「相馬前会長は志を組織に求めました。私たちはその志を高めなければなりません」「難民を助ける会は30年で日本を変えましたが、これからの30年では世界を変えてください」と述べました。

第一部「難民支援の30年とこれから」

パネリストの皆さん 右端は手話通訳の方

右から外務省の志野光子さん、元難民の久郷ポンナレットさん、ヴ・ダン・コイ(武永賢)さん、グエン・ティ・ジャンさん。左端は進行を務めた、さぽうと21の吹浦忠正理事長

創立当時から長年副会長の任にあった吹浦忠正特別顧問(さぽうと21理事長)が当時を振り返り、「1979年設立時は『日本にも支援を必要とする人はいるのに、なぜ海外の支援をするんだ』という電話がよくかかってきました。また昔は国際協力をすると言えば、変わり者扱いされる時代でした。それが、今では『難民を助ける会に助けていただいて今がある』『活動がんばってくださいね』といった言葉を聞くようになりました。この30年間で難民支援を通じ、日本は変わったと思います。」と語りました。

続いて、1979~88年にベトナム、カンボジアから難民として来日したグエン・ティ・ジャンさん(東京・二子玉川ベトナム料理店「ジャンズ」主催)、ヴ・ダン・コイ(武永賢)さん(東京・中井駅前クリニック院長)、久郷(くごう)ポンナレットさん(『虹色の空』著者)が、難民としての体験を語りました。現在、3人はすばらしい活躍をされていますが、その過去には、日本人には想像もできないほど過酷で辛い経験がありました。迫害を逃れるためにボートピープルとして何度も国外脱出を試みたことや、肉親が次々殺されていったこと、そうした経験を持つパネラーの語る言葉には、大変な重みがありました。

久郷(くごう)さんのお話

政治に翻弄され、家族を次々と亡くされた久郷さんのお話に、会場は大きな衝撃を受けました

7年間も家族と離れて過ごさなければならなかったジャンさんは、その時の辛さを話しながら声を詰まらせました。コイさんは、「蛇口をひねれば24時間、安全な水が出てくること」や、安定した電気の供給がどんなに素晴らしいことなのか、私たち日本人の気付いていない幸せを指摘されました。また、迫害のため家族を亡くされた久郷さんは、「この世から、もう難民が発生しないことを祈ります」と語りました。どの言葉にも、強い気持ちが込められており、ご来場いただいた方々は深く心を動かされたようでした。

外務省の人権人道課長の志野光子さんには、3人のお話への感想とともに、来年度より実施予定でご自身が担当として携わっている、第三国定住についてお話しいただきました。「難民の方々は、自分の国を離れるという"決断"をしています。しかし、我々は日本に来られる難民を一生の隣人であると考える心構えができているでしょうか。彼らの"決断"に応えるだけの思いが必要です。」難民をとりまく日本社会が変わってきている今、私たち一人ひとりのあり方が問われています。

第二部「地球市民として私たちにできること」

パネルディスカッションでは笑いがこぼれる場面も。

左から中村哲雄さん、鈴木ひとみさん、ルー大柴さん。右端はコメンテーターとして参加した加藤タキ副理事長

第二部では、さまざまな分野で活躍する方々を招き、日本を元気にするために私たちに何ができるか、会場の皆さまと一緒に考えました。基調講演で長理事長は、「民主主義というのは私たち一人ひとりがこの社会に当事者として責任をもつこと」という相馬前会長の言葉を紹介。「難民を助ける会はこれからも、日本人がもともと身近な人々に対して持っている共感、"人情"を、海外の困難な状況にある人たちの事も自分の事として考えられる"人道"に変えていくお手伝いをしていきたい」と語りました。

続くパネルディスカッションでは、食糧・環境・エネルギーという地球規模の課題解決の大切さを訴える元岩手県葛巻町長の中村哲雄さん、車椅子陸上競技世界大会金メダリストでありバリアフリーコンサルタントの鈴木ひとみさん、MOTTAINAI運動に取り組んでいるタレントのルー大柴さんをパネリストに迎え、お話いただきました。環境問題やユニバーサルデザイン、食料問題など様々な議論が飛び交う中、「自分ができることを、できることからやっていく」「相手に関心を持つ、相手の立場を想像する」「思いを行動に移す」「自分の役割を担う」といったお話があがり、会場からも活発な質問やコメントがありました。

第三部「30周年記念式典、懇親会」

長年にわたりご支援くださっている個人、企業、団体に感謝状を贈呈しました

長年のご支援者・井上夫美子さま(右)に感謝状を手渡す柳瀬会長

長年にわたり多大なるご支援を頂いた個人・法人の方々へ、ささやかながら感謝状を贈呈いたしました。 私たちが活動できるのは、ひとえに皆さまのおかげです。継続してご寄付くださっている方々、温かい励ましの言葉をくださる方々、お気遣いの言葉をかけてくださる方々、皆さまのご支援があればこそ、ここまで来ることができました。
30周年という節目を迎え、改めて感謝申し上げますとともに、これからの30年に新たな決意で向かってまいります。

難民を助ける会はこれからも、日本のみならず世界を変えていくべく、活動に励んでまいります。皆さまの応援と温かいご指導を、どうぞよろしくお願いいたします。

※第三国定住:難民キャンプ等で一時的な庇護を受けた難民を、難民の受入れに合意した別の国(第三国)に移動させて定住させる制度。日本政府は2010年度から3年間、タイの難民キャンプに滞在するミャンマー難民を年30人程度受け入れる方針
第一部、第二部での手話通訳:北田美千代さん、中野佐世子さん、深海久美子さん

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