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パキスタン洪水支援 速報第8弾 緊急支援物資はこうして集めます

2010年08月26日  パキスタン緊急支援
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ラワルピンディの市場で野菜を売る男性

被災地から離れたラワルピンディの市場

パキスタン北西部で起った洪水被災者への緊急支援のため、東京事務局の青木真理子、杉澤芳隆、川邉安行が現地で支援活動を行っています。

8月12日には現地の協力団体NCHDと、15日と22日には同じく現地の協力団体GPPとともに、被害の大きいノシェラ郡の3カ所で、緊急支援物資を合計520世帯に配付しました。

被災者1世帯あたりの緊急支援物資の中身は次のとおりです。

1.ナツメヤシ(1キログラム) 2.ほしぶどう(1キログラム) 3.米(10キログラム) 4.豆(1キログラム・調理用) 5.豆(1キログラム・調理済み) 6. 砂糖(1キログラム) 7.食用油(2.5リットル) 8.石鹸(4個) 9.ロウソク(8本) 10.スパイス(マサラ)(250グラム) 11.紅茶(250g) (これらに加え、8月15日 と22日にはミネラルウォーターも配付)

今回は、これらの物資の調達までの様子を杉澤芳隆が報告します。

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緊急支援物資の選定は、まず価格調査から

店主に価格や納期を確認する杉澤(左)

食料品店で販売価格や納期について店主にたずねる杉澤(左)(8月18日撮影)

難民を助ける会がパキスタン洪水による被災者に届けている緊急支援物資は、商業の発達しているパキスタンの首都イスラマバードやその周辺で購入しています。緊急支援物資を低価格で、迅速に用意するためには、食料や医薬品がいくらで売られているか、必要な数量を揃えるのに何日間かかるのか、などを調査する必要があります。

杉澤は8月18日、ラワルピンディで食料と日用品の価格調査を行いました。ラワルピンディはイスラマバードから車で30分ほどのところにある街で、綿密な都市計画に基づいて作られた首都とは対照的な、細い路地が入り組み活気にあふれる商業地域です。あらゆる種類の商店がひしめき合うバザールのなか、食料品店を回って、米、油、なつめやしなどの価格を聞いていきました。食料品店には数え切れない種類のスパイスが並べられ、刺激的な香りが漂います。最初の物資配布の前に行った同様の調査の結果とくらべて、それほど価格は変わっていませんでしたが、洪水で耕作地に被害が出ており、今後食品価格が高騰しないかが気がかりです。

必要な情報を求め、一軒ずつ聞いて回る

薬品店で店主から話を聞く川邉

薬品店で店主のアーマッドさんに話を聞く川邉(右)(8月19日撮影)

翌19日には、川邉が医薬品の調査に向かいました。おなじくラワルピンディの薬品店を訪問し、薬の価格を一種類ずつ確認していきます。ズルフィカール・アーマッドさんは薬品店を開いて20年。洪水で被害を受けた人たちのために自分の店の薬が役立つのは嬉しいと話してくれました。突然のスコール(通り雨)に濡れながらも、必要な情報を集めることができました。

地道な調査ですが、一人でも多くの被災者に確実に支援物資を届けるためには欠かせない作業です。調査の結果は今後の支援計画を立てるのに役立てられます。

食糧品店の棚にうず高く積まれた品物

ラワルピンディの食料品店。高い天井まで在庫がぎっしり(8月18日撮影)

お米や小麦粉の入った袋が市場に並ぶ

小麦粉はナンやチャパティなどのパン類づくりには欠かせません(8月18日撮影)

緊急支援物資に入れたナツメヤシ(市場にて)

今回の支援物資の一つであるなつめやし。イスラム教徒の人々が断食期間中、日没後に最初に口にする栄養価の高い食品です

市場にはマサラの入った袋が並ぶ

パキスタンの料理に欠かせないマサラも緊急支援物資に加えられました

難民を助ける会では、パキスタン洪水被災者への緊急支援を続けます。引き続き、皆さまのご支援をお願いいたします。

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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 杉澤 芳隆

2010年5月より東京事務局勤務。大学卒業後、民間会社に勤務後、難民を助ける会へ。(茨城県出身)

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