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パキスタン:豊かな心を育んでほしい―国境地域の小学校に図書室を作りました

2013年04月02日  パキスタン緊急支援
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「本を読んだり、スポーツをしたり、学校が楽しいよ!」

AARが支援を続けるパキスタンのハイバル・パフトゥンハー州は、アフガニスタンからの難民や、パキスタン国内の紛争を逃れてきた避難民が多く暮らしています。AARは2011年からこの地域の小学校16校に教室やトイレの新・増築、井戸の設置、机やいすの提供などの支援を行ってきました。

「治安の安定しないこの地域の子どもたちが、せめて学校では夢を育めるような情操教育をしてあげたい」という小学校の先生方からの要望を受け、2012年は、子どもたちが豊かな心を育むことができるよう、各校に図書室を作り、スポーツ用品も提供しました。

各図書室には、教師へのアンケートをもとに、英語や科学などの学習書や辞書、歴史の本、世界の童話など330冊の本と、地球儀やパズルなどの教材を揃えました。パキスタンの国語であるウルドゥー語で書かれた本のほか、アフガニスタン難民の子どもたちも読めるよう、アフガニスタンの公用語であるパシュトゥー語で書かれた本も用意しました。これまで図書室がなく、コーランや教科書以外の本を読む機会のなかった子どもたちは、ぴかぴかの図書室で、興味深そうに本を読んでいます。小学校5年生の男の子は、「前は休み時間に楽しいことがあまりなかったけれど、今は、ほとんどの時間を本を読んで過ごしているよ」と教えてくれました。

また、各校に配付したスポーツ用品は子どもたちに大人気です。パキスタンで人気のあるクリケットのほか、バレーボールやサッカーなどの球技、縄跳びやバドミントンなど、いろいろなスポーツをみんなで楽しんでいます。

AARが支援してきたこの地域には、長年にわたる国内の紛争を逃れてきた人々や隣国アフガニスタンからの難民が14万人以上暮らしています。AARは今後1年間でさらに13校の整備を進めます。

AARが支援した学校に通う子どもたちにインタビューを行いました

子どもたちに聞いた質問
  1. 新しい図書室についてどう思う?
  2. どんな本が好き?
  3. 図書室ができる前と今で何が変わった?
  4. 他の教材は気に入ってる?
  5. 新しい教室やいすの使い心地はどう?
  6. スポーツ用品は使っている?
  7. 将来の夢は?
  8. 日本のみなさんにひとこと

小学校5年生の児童

  1. 勉強するのにとても良い場所だと思う。楽しむための本だけじゃなくて、勉強になる本がたくさんあるところがいいな。
  2. 物語、算数の問題集が好き。物語は特にニーラムという妖精の話が好き。
  3. 今は面白い本がたくさん読める。前より読書に興味を持つようになったよ。
  4. 頭を使うからパズルが好き。
  5. 前は雨期でも暑い夏でも外の地面に座って授業を受けてたけど、今はそういうことがなくなった。快適でとてもうれしい。
  6. たくさん遊んでる。とても楽しい!特にクリケット、サッカー、バレーボールが好き。いろいろな種類のスポーツ用品をもらったので、今まで知らなかったスポーツにもチャレンジしているよ。
  7. お医者さんになりたい。
  8. たくさんの支援と新しい学校をありがとう!

小学校3年生の児童

  1. カラフルな机やいすがあって嬉しいです。
  2. シンデレラや魔法使いの物語が特に大好き。「預言者ムハンマドの教え」というイスラム教の本も好きです。
  3. 前は休み時間にすることがなかったけれど、図書室ができてからは休み時間に本を読むよ。
  4. 勉強になるから、パズルとABCのブロックが好き。
  5. すごくきれい!前は廊下に座って勉強してたから、夏はとても暑いし、冬はすごく寒かった。今は新しい教室で机といすで勉強できるようになったよ。
  6. 楽しい!特になわとびとバドミントンが好き。いろんな種類の遊びができて楽しい。
  7. お医者さんになりたい。
  8. たくさんの支援をありがとう!

※この活動は、皆さまからのあたたかいご寄付に加え、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受けて実施しています。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

パキスタン事務所駐在 森田 智彦

2012年5月よりAAR東京事務局でケニア事業を担当。2012年12月よりパキスタン駐在員。大学院卒業後、民間企業を経て在ジンバブエ日本国大使館に派遣員として2年間勤務。その後AARへ。神奈川県出身

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