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ネパール地震緊急支援:山間部の被災地で現地調査

2015年05月05日  ネパール緊急支援
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AAR Japan[難民を助ける会]の緊急支援チーム第1陣(岡山典靖、柿澤福郎)は、4月25日に発生したネパール大地震の被災者支援のため、4月29日より現地で活動しています。5月3日には支援チーム第2陣(古川千晶、松本夏季)も合流し、現在4人体制で活動を進めています。

調査の結果、カトマンズ西方の山間部にあるダーディン郡にて支援を行うこととし、5月4日、支援チームのうち3名がダーディンに入りました。現地の最新状況をご報告します。

山間部の被災地へ

マーカーをつけた場所がダーディン郡。カトマンズから車で約5時間

地震発生から約10日。カトマンズの市街地がすこしずつ日常を取り戻しつつある一方で、山間部での支援の遅れが明らかになってきました。被害が大きいにも関わらず、交通の便の悪さから、なかなか支援が行き届いていないためです。AARはこのような山間部での支援を検討してきましたが、当初活動を予定していたゴルカ郡では比較的支援が集まりつつあることから、活動地をダーディン郡に変更しました。ダーディン郡はカトマンズから西に車で5時間ほど行ったところにあり、約7万世帯の住民のうち半数が被災しているとの情報もありながら、支援はまだまだ足りていません。

5月4日、支援物資の調達を担当する柿澤をカトマンズに残し、AARの緊急支援チーム3名がダーディンに向けて出発しました。狭い山道が続きます。ダーディン郡に入り、崩れた家の前で避難生活を送っているコイララさん一家に話を伺いました。親戚一同が集まって数軒の家で暮らしていましたが、地震でほとんどの家が崩れてしまい、現在は支援団体から受け取ったテントを張って暮らしています。ブヌ・コイララちゃん(11歳)は「地震は怖かった、でもみんな急いで逃げられたのでけが人は出なかった」と話してくれました。親戚の中で一番小さい生後5ヵ月のディプスィカちゃんは、地震が起きたときお母さんと一緒に家の二階にいました。地震で家が崩れ始めたため、お母さんはディプスィカちゃんを窓から投げ、下にいるお兄ちゃんが無事受け止めて助かったそうです。

郡都ダーディンベシでは、家屋の被害がカトマンズよりも多く見られました。郡役所の担当者を訪問し、被災状況や支援活動について協議しました。役所との調整結果を踏まえて、ダーディン郡内の被災者にビニールシートなどの生活必需品や食料を配付する予定です。支援活動の本格化に向けて、皆さまの引き続きのご支援をどうぞお願いいたします。

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地震で倒壊したコイララさんの自宅。二階にいた生後5ヵ月の赤ちゃんを窓から投げ下ろして救出したという。左はAARの古川千晶(2015年5月4日、ダーディン郡)

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ダーディン郡郡都のダーディンベシではカトマンズよりも建物の倒壊が目立つ。地元の人に話を聞くAARの岡山典靖(左、2015年5月4日、ダーディンベシ)

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支援物資調達のため、商店で商品の在庫状況と価格を調査するAARの岡山典靖(左)と古川千晶(右)(2015年5月4日、ダーディン郡)

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ダーディンベシのホテルの一室は避難所として使われていた(2015年5月4日、ダーディンベシ)

※この活動は、皆さまからのあたたかいご支援に加え、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受けて実施しています。

緊急募金にご協力ください

どうぞご協力をお願いいたします。

郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
  • 通信欄に「ネパール」とご記入ください。
  • 領収証が必要な方はその旨お書きください。

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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 古川千晶

大学卒業後、人材コンサルティング会社などを経てイギリスの大学院で国際開発学を学び、帰国後AARへ。2010年10月よりハイチ駐在。2012年1月より東京事務局でアフガニスタン、ミャンマーおよびフィリピン事業を担当(大阪府出身)

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