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ザンビア:minNa(みんな)の図書館できました!

2015年12月01日  ザンビア感染症対策
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AAR Japan[難民を助ける会]は2004年より、ザンビアの首都ルサカ近郊の低所得者が多く住むンゴンベ地区で、エイズで片親ないし両親を失った子どもたちが教育を受けられるよう、支援しています。学費や学用品を提供し、また将来に不安を抱える子どもたちに対してカウンセリングを行っています。今までに支援した子どもは100名を超え、現在は23名が支援を受けています。

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完成した「みんなの図書館」にて。前列左端はAARザンビア事務所の平間亮太、右端は粟村友美(ザンビア・ルサカ、2015年11月13日)

落ち着いて勉強に取り組める場所を

HIV/エイズにより親を失った子どもたちは、ほとんどの場合、親戚の家に引き取られます。引き取られた先の家も子どもを何人も抱えており、家で落ち着いて勉強に取り組むことは難しいケースが多くみられます。勉強に集中できればよい成績を取れるかもしれないのに、そうした環境のために成績が上がらず、落第してしまったり、やる気を失ったりしてしまう子どもたち。このような状況に私たちも心を痛めていました。そこで、子どもたちが勉強に集中できる環境を作ろうと、参考書や勉強に役立つ書籍、また、興味の幅を広げてくれる本を集めた図書館を作ることにしました。同時にこの図書館が、同じ境遇にある子どもたちが互いに悩みを相談し合い、気持ちを吐露できる安らぎの場になってくれるのではないかという期待もありました。

みんなで作った「みんなの図書館」

図書館を作ろう!と決めたのは、昨年8月のこと。まずは建設の資金を集めなくてはなりません。何の当てもなくゼロから資金集めをするのは、私たちザンビア事務所駐在のメンバーにとっては初めてのことでした。ウェブサイトを通じて図書館建設のための募金を呼びかけたり、一時帰国するたびに企業を訪問してお願いしたりと、考えられる方法を端から試していきました。なかなか思うように資金が集まらず、挫けそうになったときもありましたが、エイズ遺児の子どもたちの顔と、ウェブサイトの告知を見てご寄付をくださった方のことが頭に浮かぶたびに励まされ、諦めずに各所でのアピールを続けました。おかげさまでなんとか目標額を達成し、今年8月にはAARの事務所敷地内で建設を開始。ついに11月13日に図書館を開設することができました。ンゴンベのエイズ遺児みんなにとって身近な存在になるよう、との気持ちをこめて、「more intimate Ng'ombe for all(皆がよりくつろげるンゴンベ)」の頭文字を取り、「minNa library(みんなの図書館)」と名付けました。13日に行った開所式には、AARが就学を支援しているたくさんのエイズ遺児が集まり、図書館の周りを掃き掃除してくれたり、事務所内の本棚から図書を移動させたりと、一生懸命手伝ってくれました。棚や机を配置し、ザンビアの出版社や日本の支援者の皆さまから寄贈していただいた本を本棚に収めて、ついに図書館が完成。するとさっそく子どもたちは思い思いの本を手にとり、嬉しそうな表情で読み始めました。

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右の白壁の建物が図書館。AAR事務所で使っていた本棚を移動させる就学支援生たち(2015年11月13日)

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皆さまに寄贈していただいた本を本棚に収めていきます。手前はAAR現地職員のムセンゲ(2015年11月13日)

将来の夢は会計士!

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ベンソンくん(左から2番目)と祖父(右から2番目)。右端はAAR現地職員のケビー(2105年11月13日)

ベンソンくん(17歳・右写真、左から2番目)は、5年前に母親をHIV/エイズで亡くし、現在は祖父(同右から2番目)と暮らしています。祖父は靴の修理とバナナ売りで生計を立てていますが、家族の三度の食事を賄うことも難しく、ましてベンソン君の学費を捻出できるほどの収入はないため、AARが就学を支援しています。ベンソン君は一見気が強そうで、思春期の若者らしく少しぶっきらぼうな口調ですが、学校での出席率も成績もよく、クラスで10番を下回ったことはない優秀な生徒です。特に数学が得意で、将来は会計士になりたいと思っています。そんなベンソン君も、図書館ができたことで落ち着いて勉強する環境ができたことをとても喜んでくれました。「この図書館でたくさんの本を読んで、ますます勉強に打ち込みたい」と話してくれました。

この図書館に、これから学校の主要科目の参考書なども置き、自習できる環境を少しずつ整えていけたらと思っています。また、最近ザンビアの学校のカリキュラムにICT(情報通信技術)が導入されました。パソコン操作能力は、今やザンビア、特にルサカにおいては、安定した収入が得られる仕事に就くには必須といっても過言ではありません。しかし学校にパソコンが配備されているわけではなく、家にパソコンがある支援生は一人もいません。今後、何とか子どもたちがパソコンに触れる機会を作れるよう、図書館に設置できれば、と思っています。本の種類もまだまだ限られているので、これから充実させていき、たくさんの子どもたちが勉強や読書を目的に集まる場所になることを願っています。今後ともあたたかいご支援をどうぞよろしくお願いします。

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図書館が完成するやいなや、皆嬉しそうに本を読み始めました(2015年11月13日)

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これからもっと本を充実させ、パソコンも設置できればと考えています(2015年11月13日)

※この図書館の建設は、皆さまからのあたたかいご支援に加え、株式会社イングラムおよび株式会社メディカルイオンのご協力を得て実施しました。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

ザンビア事務所 平間 亮太

2014年8月よりザンビア事務所駐在。青年海外協力隊に参加し、西アフリカのベナン共和国でエイズ対策活動に携わる。帰国後大学院で国際保健学を学び、2012年にAARへ(北海道出身)

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