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ネパール:地震で両足を切断...人生を取り戻すために

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ネパール西部の出身のラメシュさん。実家が貧しいため、学校を辞め、カトマンズに出てきて働いていました(ラリットプール市、2015年12月9日)

「足を触ろうとして、そこに足がないことに気づきました」。こう語るのは18歳のラメシュ・カトリさん。4月にネパールを地震が襲った当時は、故郷に住む妻に仕送りをするために、首都カトマンズのゲストハウスで働いていました。「8階にある自宅で食事をしていました。地震が起きて逃げようとしたけれど、4階にたどり着いたとき、建物が倒壊したんです。その後は意識がもうろうとして、助けを求めたけれど、声が出ているかどうかもわからなくて。なかなか助けは来ませんでした。夜になってから、すごく上のほうから掘っているような感じがして、ようやく引き出してもらいました。病院に運ばれた後は意識を失いました」。ラメシュさんは3日後に意識を取り戻しました。足に痛みを感じていましたが、その時には両足はすでに切断されていました。2ヵ月後に退院してからは、NGOから車いすを受け取り、障がい者用の施設で暮らしていますが、先が見えず不安だと言います。「いつかは施設も出なければならないけれど、働くことができません。いったいどこに住んだらいいのか。どうやって妻を養ったらいいのか...」。

ラメシュさんのように、地震で手足を失ったり、脊髄を損傷したりして体が不自由になった人はネパール国内に600人以上いるとされています。また、多くの障がい者が地震により家が倒壊するなどして生活できなくなりました。AAR Japan[難民を助ける会]はこのような人たちを、現地協力団体CIL(Independent Living Center for Persons with Disabilities)を通じ、2015年8月から支援しています。

まず、カトマンズの病院の敷地内に一時的に作られた避難キャンプで過ごしていた障がい者とその家族80人に食料や水などを4ヵ月にわたって配付。キャンプが閉鎖されてからは、重度の障がいなどのため元の生活の場に戻れない20人が移り住むための部屋の賃料1ヵ月分と、台所用品などを支援しました。

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CILは初のネパール国産の車いすの製造に取り組んでいます(カトマンズ大学、2015年12月9日)

また現在、AARは車いすの生産も支援しています。ネパールでは年間で1万台もの需要があるとされる車いす。これまでは中国などから輸入されていましたが、CILはネパールで初の国産となる車いす作りへの挑戦を始めています。国産の車いすはアルミニウム製で軽く、コントロールがしやすいのが特徴で、AARは50台を製造するための資金を提供します。地震で両足を失ったラメシュさんも、近々国産車いすを受け取る予定で、「今の車いすは重くて動かすのも大変なので、嬉しいです」と語ってくれました。

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出来立ての車いすを試乗するCIL事務局長のクリシュナさん。「軽くてコントロールしやすい」と嬉しそうでした(2015年12月9日)

緊急の支援が終わった今、自らも障がいのあるCIL 事務局長のクリシュナ・ゴータムさんは、障がい者の自立支援の重要性を強調します。「(地震で足を失った)ラメシュのような人はたくさんいる。『この後どうするのか』と聞かれても、彼らはどうしたらいいかわからないんだ。だって、これまでとはまったく違う人生が待っているのだから」。CILは、事務所に障がいのある人を1週間受け入れて障がいとともに生きるための訓練をしたり、働くことが可能な人には電話受付などの仕事を紹介したりしています。

そこでAARはCILがこのような活動を継続するための資金を得られるよう、養鶏事業を支援することにしました。CILは今後、障がいのある人などをスタッフとして雇い、雛から育てて成長した鶏を販売する予定です。AARはCILがこの事業を始めるために必要な、雛を調達するための費用などを負担します。収益は、地震の被害者を含め、ネパールの人口の10%以上を占めるともいわれる障がい者のための活動にあてられます。

足を失ったラメシュさんは不安を抱えながらも、「いつかは学校で勉強し直して就職したい」と希望を捨ててはいません。ネパールの障がいのある人たちが、自分の人生を取り戻す手助けを、AARは続けていきます。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 加藤 玲奈

2014年10月より東京事務局で広報・支援者サービス担当。大学卒業後テレビ局で報道に携わり、退社して英仏に滞在した後、AARへ。東京都出身

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