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キラーロボットの禁止に向けて 2017年公式会合がスタート

2016年12月22日  啓発
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プログラムされたロボットが自律的に標的を決定して人を殺す―。そんな恐ろしいことが現実にならないよう、AAR Japan[難民を助ける会]は「キラーロボット(殺傷ロボット)」の禁止に向けて取り組んでいます。

2016年12月12日から16日にかけて、スイス・ジュネーブの国連欧州本部にて、「特定通常兵器使用禁止制限条約」(CCW)第5回再検討会議が開催されました。2013年4月に発足した市民社会の国際的なネットワーク「キラーロボット反対キャンペーン(Campaign to Stop Killer Robots)」の運営団体として、AARから松本夏季が本会議に参加しました。

起こりうる悲劇を防ぐために

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会議には89の国と地域が参加しました(2016年12月16日)

CCWは本体条約と、非人道的な兵器をそれぞれ規制する5つの附属議定書からなる条約です。X線で検出不可能な破片を利用する兵器、地雷とブービートラップ(仕掛け爆弾)、焼夷兵器、失明をもたらすレーザー兵器、不発弾を発生させるような兵器の使用がCCWによって規制されています。近年はキラーロボット反対キャンペーンなど市民社会の働きかけにより、完全自律型兵器(LAWS)に関する規制の可能性について議論が進んでいます。 今回の会議では、2017年のGGE(Group of Governmental Experts・政府専門家会合)設置が合意されるかどうかに注目が集まりました。2014年からの3年間、各国政府が一同に会する機会は1年間に1週間の非公式の会合しかありませんでした。しかしGGEが設置されれば、より長い期間、公式の会議が設定され、政府間の議論が進み、LAWSを規制する法的拘束力のある文書の採択への大きな一歩となります。

会議には、条約批准国、署名国など89ヵ国の政府と国際機関、NGOの代表が参加し、初日の一般討論では日本を含む約60ヵ国が発言、そのうち約50ヵ国がキラーロボット(=完全自律型兵器・LAWS)に関しても言及しました。GGEの設置についても、関連の発言をしたほとんどの国が支持するという、幸先のいいスタートとなりました。 各国政府の発言のあとはAARを含む7つのNGOが発言し、CCWでの議論をスピードアップし、早急にキラーロボットの使用を禁止するよう訴えました。

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会議の声明書を読むAARの松本夏季(2016年12月12日)

また、会議期間中、アルゼンチン、グアテマラ、パナマ、ペルー、ベネズエラが新たにキラーロボットの予防的な禁止を求める発言をし、これで禁止を求める国はアルジェリア、ボリビア、チリ、コスタリカ、キューバ、エクアドル、エジプト、ガーナ、バチカン 、メキシコ、ニカラグア、パキスタン、パレスチナ、ジンバブエと合わせて19ヵ国となりました。

CCWにおけるGGEの特徴は、一部の国の専門家のみで組織されるものではなく、未批准国および国際機関、NGOにも公開されることです。「まだ存在しない兵器について、CCWの場で議論するのは早熟である」という主張も一ヵ国からありましたが、最終日には2017年にジュネーブにてGGEが開催されることが無事決定しました。時期は2017年4月24日~28日または2017年8月21日~25日(後日決定)と、2017年11月13日~17日の計10日間。議長はインドのSingh Gill大使が務めます。

会議中、各国政府からもNGO席からも、シリア・アレッポで使われている非人道的兵器による惨状について何度も言及がありました。キラーロボット禁止は決して夢物語ではなく、近い将来起こりうる悲劇を防ぐために実現させなくてはならないものです。AARは、地雷など非人道的な兵器の被害に遭った方々に寄り添う活動を続けてきました。だからこそ、キラーロボットの禁止に向けて発信し続けていく意味を強く感じています。

「キラーロボット反対キャンペーン」は、2013年4月にキラーロボットの問題に関心を持つNGOの世界的な集まりとして発足しました。現在26ヵ国から61団体が参加しており、随時参加団体を募集しています。ご関心のある団体は、AARまたはキャンペーン事務局までご連絡ください。

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世界の各地域から集ったキラーロボット反対キャンペーンのメンバーと。左から2人目がAARの松本夏季((C)キラーロボット反対キャンペーン/2016年12月15日)

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

 松本夏季

大学院在学中に国際機関でインターンとして勤務し、卒業後AARに入職。広報・支援事業部の業務に携わる。2014年2月より、キラーロボット反対キャンペーン担当。2016年8月よりトルコ駐在。東京都出身

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