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ウガンダ:今、南スーダンの子どもたちに起こっていること

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2016年7月、自衛隊がPKOの一員として派遣されている南スーダンで、大規模な戦闘が発生したことが日本で大きなニュースになりました。それ以降、大統領派と反政府側による政治的対立は民族間の衝突に発展し、様々な勢力が絡み合って、各地で武力紛争や虐殺事件が頻発しています。それにより、隣国ウガンダには約47万人もが難民となって逃れる事態となりました。

AARは、ウガンダに設けられたビディビディ難民居住地で、8月から緊急支援を行っています。南スーダンの子どもたちは居住区に到着し、戦争のない日々を安心して暮らしているように見えます。しかし、話を伺うとみな想像を絶する厳しい経験をし、決して癒えない心の傷を抱えていることがわかりました。現地でAARとともに支援活動に携わった、フォトジャーナリストの川畑嘉文が報告します。

「ただ、お父さんが恋しい」メリー・オペインちゃん(11歳)

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兄とたった2人で暮らすメリーちゃん。「ウガンダに来れてよかった。でも、お父さんがいたらもっとよかった」(2016年12月13日、ウガンダ・ユンベ)

メリーちゃんは11歳。16歳の兄とたった2人で、ウガンダのビディビディ難民居住地に身を寄せています。

母親をずっと前に亡くし、故郷では父親と兄の3人で暮らしていました。警察官だった父親が武装勢力に連行されてしまったことから、村の人たちと一緒に逃げることに。メリーちゃんはそれまでも、街中で幼い子どもとその母親が、武装した人たちにナタで殺されるのを目撃した、と言います。このままでは自分たちの身も危険だと思ったのです。最低限の食料と衣類などの生活用品を担ぎ、1週間歩き続けウガンダ国境にたどり着きました。

「ウガンダに来て、食べ物や住むところをもらえたし、いつ殺されるかという恐怖はなく、安心できます。周囲の人たちも親切です」、とメリーちゃん。「だけど、すごくさびしい。ここにお父さんがいたら、もっとうれしいのに」。

お父さんの消息を聞いているか、尋ねると、聞いていない、との答え。その時、同じ南スーダン難民であるAARスタッフのスラ・ローズが、私にそっと耳打ちしました。

「そんな質問は意味がありません。彼女は、お父さんがもう生きていないとわかっています。南スーダンでは、たくさんの人が連行され、処刑されています。そのことは、みんな知っています」。

それでもメリーちゃんは、難民居住地に設けられた学校で、一生懸命学んでいます。将来の夢は、医者など人を助ける仕事につくこと。「知識を得るのはとても大切。仕事を得て自分たちだけで生きていかなければならないから」。

大事な父親、慣れ親しんだ故郷、全てを奪われ、怒りや悲しさもあるけれど、「それよりも、お父さんがいないことがさびしい」と、繰り返していました。

「この子に罪はない。産んで、育てます」ローダ・セニャちゃん、14歳

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「まさか自分の身にこんなことが起こるなんて」悲しみ、驚きながらも、前向きに生きようとしています(2016年12月11日、ウガンダ・ユンベ)

ローダちゃんが61歳になる祖母と10歳の妹の3人でこの難民居住地にやってきたのは、去年9月のことでした。

ある日の朝、村が大勢の兵士たちに襲われ、ローダちゃんの家にも武器を持った兵士たちが押し寄せてきました。一緒に住んでいた両親は殺されてしまいました。さらに、ローダちゃんは、10数人いた兵士たちから性的暴行を受けたのです。

村には火をつけられ、全て焼かれてしまいました。何とか逃げ出したローダちゃんたちは、2ヵ月近く、見つからないように茂みの中を移動しながら暮らしていたと言います。「体中がすり傷だらけになって、虫に沢山刺されて、それがとてもつらかった。それでも兵士は、私たちを追ってきました」。もう国を離れるしかないと決心し、1週間かけて歩いてウガンダへ逃れました。

淡々と語るローダちゃんは今、妊娠しています。そのため、学校には行かず、家事をして過ごす日々です。住
居や食料の支援があって助かっているけれど、胎児のことを考えると、栄養が足りないのが心配だ、と言い
ます。医師からはたくさん食べるようにと言われていますが、支援される食料はどうしても種類に限りがあり
ます。

「まさか自分の身にこんなことが起こるなんて、とても驚いています。今はこの子を愛することは難しいけれど、この子に罪はありません。育てたいと思っています。それ以外、私たちに何ができるでしょう。この子は、神様が望んだ子なんです」

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ウガンダにやってくる人の波は今も途切れることがありません。疲れ切った表情で、手続きを待つ人々(2016年12月13日、ウガンダ・ユンベ)

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レセプションセンターで受付を済ませ、割り当てられた居住スペースに送られる南スーダン難民の人々(2016年12月13日、ウガンダ・ユンベ)

メリーちゃんやローダちゃんの身に起きたことは、決して特別ではありません。そして、それは今も南スーダンで起こり続けており、難民となって国外に逃れる人の波は止まることがありません。

AARはビディビディ難民居住地で、仮設校舎の建設や学用品などの提供と、子どもや女性だけの世帯、高齢者、障がい者など、脆弱性の高い世帯への支援物資の配付を行っています。

辛すぎる経験をしてきたこの子たちが、少しでも安心して過ごせるよう、未来を作っていけるよう、どうか皆様のご支援をお願いいたします。

(本人の許可を得て撮影、掲載しています)

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    【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

     川畑嘉文

    フォトジャーナリスト。ミャンマーやシリア、ソマリアなど世界各地の難民や、自然災害の被災地を取材し、雑誌などに写真と文章を寄稿している。2014年JPS日本写真家協会主宰コンテストにて、5枚組写真「シリア難民の子どもたち」で金賞。2016年上野彦馬九州産業大学写真コンテストにて「地雷原を越えて:傷ついたシリア難民」が九州産業大学賞を受賞した。著書に「フォトジャーナリストが見た世界: 地を這うのが仕事」(新評論)。

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