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ラオス:子どもたちの学びと成長を支える

2017年11月06日  ラオス
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日本では当たり前に提供されている給食ですが、ラオスの公立小学校ではまだほとんど提供されていません。そのため子どもたちは、お昼になると家に帰ってご飯を食べたり、外でお菓子を買って食べたりしています。しかし田舎では学校が家から遠いことが多く、また学校のまわりに売店も少ないため、満足に昼食をとれずに空腹のまま授業を受けざるを得ない子どもたちがたくさんいます。食べ物を買うお金がないことから、通学をあきらめる子どもも少なくありません。

AAR Japan[難民を助ける会]はこのような状況を改善するため、2016年6月からラオスのウドムサイ県とルアンパバーン県にある16の公立小学校で、国際連合世界食糧計画(国連WFP)と共同で、給食用のナマズを養殖する活動を始めました。国連WFP はそれまでも、地方に住む児童に給食を提供すべく、公立小学校へのお米や油の配布、学校での菜園活動を実施していました。そこで、学校が自分たちで持続的に給食用の食材を確保できるよう、そしてたんぱく源となる食材を強化するため、国連WFPとAARとの共同が始まりました。

飼育するカエルを持つ児童

飼育するカエルを持つ児童(2017年10月11日)

どうしてナマズ?

ナマズの稚魚を育てるためのセメントの池

セメントで作った池。ここでナマズの稚魚を育てます(2016年11月8日)

ナマズは生命力が強く、日々の世話が容易で成長が早い上、たんぱく質を多く含む、栄養価の高い食材です。またAARは2014年から、障がい者の収入向上を目的としたナマズやカエルなどの養殖を支援する活動をしてきました。そこでその経験を生かし、学校でナマズを育てて給食として出せるようにする仕組みをつくることにしました。それによって、たんぱく源を安定的に供給することができるようになります。

まず、各学校の敷地内にセメントで池を作りました。その後、学校の先生や地域住民などからナマズの世話係を選び、養殖研修を実施。研修では日々の世話に加え、飼育状況を正確に把握できるよう、記録簿の取り方についても指導しました。研修を終えたのち、各学校でナマズの稚魚を放流しました。ナマズの世話は、飼育係だけでなく、児童にも手伝ってもらいます。子どもたちでも正しい餌やりができるよう、AARでは写真を使った手引きも作成しました。

ナマズの飼育方法を示したポスターを見る児童たち

ナマズの飼育方法を示したポスターを見る児童たち(2017年1月18日)

約3ヵ月の飼育で5cmだった稚魚は体長30㎝、約200gに成長します。調理係は児童の母親をはじめ地域の女性たちです。ナマズは塩焼きにしたり、スープに入れたりするなど、色々な調理方法があるため、バラエティに富んだ料理を提供することができます。AARの支援が終わった後も各学校が自分たちで養殖活動を継続できるよう、成長したナマズは給食として提供するだけでなく、一部を地域で販売し、売り上げから次年度の養殖に必要な稚魚や餌などを購入するように促しています。そのためにAARは、日々の記録簿を元に、給食に提供するナマズの数や販売する数を先生方と一緒に考えるなど、計画的に活動を行うことで、学校が主体的に活動を継続する仕組みも作っています。

体長約30センチに成長したナマズ

成長したナマズ(2017年2月15日)

給食を準備する料理係の女性たち

給食を準備する料理係の女性たち(2017年10月11日)

「ナマズの日は、子どもたちの食欲が違います」

給食の筍とナマズのスープ

給食の筍とナマズのスープ(2017年10月11日)

10月11日、ウドムサイ県のバンヨール小学校を訪れました。AARが支援している学校の多くは、いくつもの川や山を越えてやっとたどり着く場所にあります。雨季には川が氾濫して渡れなくなったり、急な斜面や泥道で車が轍にはまって動けなくなったりしたことも何度もあります。セメントやナマズの稚魚を運んだり、研修に行ったりするのは大変でしたが、それだけにこれまで支援が届いていなかったという事情もあり、その分やりがいもあります。
訪問時はお昼時で、子どもたちは給食が並べられるのを今か今かと待っていました。この日の献立はナマズと筍のスープ。6月に学校が自分たちで稚魚を購入して育てたナマズは順調に成長し、給食として出されており、瞬く間に子どもたちの口の中に吸い込まれていきました。子どもたちは、「今まではお昼のたびに家に帰らないといけなかったけど、今は友達と一緒に学校で給食を食べられるので嬉しいです」と言っていました。調理係のお母さんは、「ナマズが給食に出るときは、子どもたちの食欲が違います。みんなよく食べるので、いつもより多くお米を炊いています」と笑顔で語ってくれました。

新たにカエルの養殖も始動

2017年8月からは、ウドムサイ県の10校で、ナマズに加えカエルの養殖も始めました。ナマズは夏場に育つ生き物で、また夏は地域住民から給食用に農作物の寄付がありますが、収穫のない冬にはそれもなくなります。そこで、寒さに強いカエルに目を付けました。ラオスではカエルは一般的な食材ですし、ナマズ同様にたんぱく質を多く含み、さらに自然繁殖が可能なため管理も容易で、ナマズ養殖用のセメント池の一部を使って育てることができます。現在、来年上旬から給食に提供できるよう、農業学校の講師を招いた養殖の研修などを進めています。一年を通して子どもたちが栄養価の高い食事がとれるよう、これからも活動を続けていきます。

給食を食べる児童たちとAARの大城洋作

給食を食べる児童たちと。左はAARラオス事務所の大城洋作(2017年10月11日)

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

ラオス事務所 大城 洋作

民間企業で勤務後、世界一周の旅へ。帰国後2014年4月にAARに入職し、2015年2月よりラオス駐在員として、障がい者支援に携わる。趣味は筋力トレーニング。沖縄県出身

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