天満敦子さんを迎えて東北・東京でコンサートを開催しました
東北公演の様子を動画でご覧いただけます。 |
東京でのチャリティ・コンサートは大盛況
2013年3月29日、浜離宮朝日ホール(東京都中央区)にて、AARチャリティコンサート「天満敦子ヴァイオリン・リサイタル『明日に繋ぐ祈り』」が開催されました(主催:AAR Japan、共催:社会福祉法人 さぽうと21)。ヴァイオリンの天満敦子さんとピアノの吉武雅子さんを迎えて、「トロイメライ」「タイスの瞑想曲」などクラシックの名曲と、「この道・城ケ島の雨」「月の沙漠」など日本の曲、そして天満さんの代名詞ともいえる「望郷のバラード」といったプログラムで、皇后陛下にもご来臨を賜りました。当日のご寄付を合わせたコンサートの純益1,816,641円(4月8日時点)は、AARの東北復興支援活動に活用させていただきます。ご来場・ご協力くださった皆さまに心より御礼申し上げます。
震災から2年が経った被災地を巡る東北公演
東京公演の後半冒頭、ステージに映し出されたのは、岩手県陸前高田市を訪れる天満さんの映像でした。天満さんは東京公演の直前、AARの支援活動の一環として、AARとともに東北の被災地を訪問し、6ヵ所で入場無料のコンサートを行っていたのです。どの会場も大勢のお客様にお越しいただき、来場者は総計約2,800名となりました。天満さんが震災後、津波の被災地を訪れるのは初めてでした。「しばらくはテレビの前で呆然としてしまって。私には2年という時間が必要でした」と、東京公演で天満さんは語りました。「いつか行きたい行きたいと思っていたときに、今回のお話をいただきました。やっぱり現場に行けてよかった。2年経ったのにこれなの、と思うことばかりでした。」
- 3月22日 田村ピアノ教室(岩手県陸前高田市)
- 3月22日 リアスホール(岩手県大船渡市)
- 3月23日 女川町地域福祉センター(宮城県女川町)
- 3月23日 みんなの夢広場(宮城県石巻市)
- 3月24日 南相馬市民文化会館ゆめはっと(福島県南相馬市)
- 3月25日 福島市音楽堂 大ホール(福島県福島市)
「今日聴けなかった人たちのことを思い出した」「生きる力をいただきました」
東北公演の来場者アンケートからは、音楽の感想とともに、震災から2年を過ごしてきた一人ひとりの今の想いが伝わってきます。一部をご紹介します。
- 「月の沙漠」のオルゴールが家といっしょに50年以上の思い出と共に流失してしまったのを思い出して涙が出ました。すばらしいコンサートをありがとうございます。次回は明るい曲でぜひお会いしたいと思います。(大船渡、60代女性)
- 仮設のくらしの中で、将来への生活設計にあけくれています。失ったものをつい数えてしまうのをやめて前をむかなければ…と現実と夢の間をさまよっています。ちょっと疲れてきています。今日はありがとうございました。(大船渡、50代女性)
- 本当に"素晴らしい"という一言につきます。今日聴けなかった人たちのことを思い出し涙がでました。ありがとうございました。(女川、70代女性)
- 感動です。勇気と元気、生きる力をいただきました。住宅は流されましたが、心はふるさと女川にとどまっています。復興は遅れていますが、生きる希望は豊かにもっていたいと思います。(女川、70代男性)
- すばらしいコンサートありがとうございました。明日からの生活の活力にしたいと思います。昨日兄の三回忌の法要が終り、一区切りが付きました。(南相馬、60代女性)
- 今日は音楽を楽しむつもりでいましたのに、「月の沙漠」の頃には胸にひたひたと音が満ちてきて、涙があふれて、声を飲んで泣いていました。そんな自分にとても驚いて、"明るくて強いね"と言われている自分が我慢して頑張ってきたんだと気付きました。いたわられ労われた時間でした。また一人生活を頑張っていけます。ありがとう!(南相馬、60代女性)
- 2年前の3月11日は、主人が南相馬にいて、連絡が取れず心配しました。その時小学4年生の娘は小学校を卒業しました。頑張って生活していきます。(福島)
東北各地での公演の際は、各会場で地元の方々にボランティアでお手伝いをいただきました。ご協力くださった皆さま、本当にありがとうございました。また、このコンサートの開催にあたっては、日本ロレックス株式会社より多大なるご協力をいただきました。心より御礼申し上げます。
【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 杉澤 芳隆
2010年5月より東京事務局勤務。大学卒業後、民間会社勤務を経てAARへ。2010年パキスタン洪水支援、2011年東日本大震災緊急支援に従事。(茨城県出身)