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シリア難民緊急支援:トルコ南東部のスルチュ郡で調査を進めています

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西から、アインアルアラブ(クルド名コバニ)、スルチュ、シャンルウルファ、ヴィランシェヒル

イラク・シリア地域でイスラム国家の樹立を一方的に宣言した武装組織「イスラム国」(IS)が9月19日にシリア北部アインアルアラブ(クルド名コバニ)への攻撃を開始して以来、17万人を超えるシリア人が国境を越えて逃れ、トルコ南東部に避難しています(国連高等弁務官事務所・UNHCR 2014/10/10)。現地で難民の調査にあたっている、AARの内藤裕子の報告です。

避難先でも空爆機の飛ぶ音が

煙の上がる空

シリアとの国境付近では、空爆と思われる煙が上がっていました(2014年10月15日)

10月15日、難民が多く避難しているトルコ南東部のシャンルウルファ県スルチュ郡南西部で、現地協力団体のSTL(Support to Life)とともに調査を行いました。時折空爆機が飛んでいる音が聞こえ、遠く国境の向こう側では、空爆によると思われる黒煙が上がっているのが見えました。

コバニはクルド民族が多く暮らす地域で、今回の攻撃で逃れてきた方々の多くもクルド民族です。トルコにいる親族や知り合いを頼って避難してきた方もいますが、頼れる知り合いのいない方は空き家や倉庫を借り、同じようにシリアから逃げてきた他の家族と暮らしています。窓ガラスがなく、雨漏りがひどい部屋で避難生活を送る高齢の女性は、「シリアからは何も持ってこられなかった。服も今着ているものしかない。全財産を失った」と涙を流しながら今の状況を話してくれました。

難民の家族

テントで生活するシリア難民の家族。多くの家族が小さな子どもを連れて逃げてきています(2014年10月15日)

左の写真の家族は6人の子どもたちを抱え、20日ほど前にコバニから逃げてきました。母親は7人目の子どもを妊娠中です。現在はトルコで200ドルで買ったというテントを郊外に張って生活しています。「今は貯金を崩して、中心部まで行って食料を買っています。仕事が見つからなければ、どのくらい持ちこたえられるか分かりません」。

ほとんどの世帯は最低限の食料を手に入れることで精一杯で、衣類や衛生用品、調理器具など、生活に必要なものはまったく足りていません。AARは引き続きシャンルウルファ県スルチュ郡、シャンルウルファ市内およびヴィランシェヒル郡を中心に現地の状況を調査し、生活必需品を配付する予定です。一刻も早く必要な支援を届けるため、皆さまのあたたかいご支援を、心よりお願い申し上げます。

倉庫で避難生活を送る家族

雨漏りのする倉庫で避難生活を送る家族。10畳ほどのワンルームで3世帯が暮らしている場所もあります。左端はAARの山本祐一郎(2014年10月15日)

難民の方々が暮らす倉庫

数世帯が共に暮らしている倉庫。シリアから持ってくることができた荷物はほとんどありません(2014年10月15日)

※この活動は皆さまのご寄付に加え、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の支援を受けて実施しています。

緊急募金にご協力ください

募金の受付を開始しました。どうぞご協力をお願いいたします。

郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
  • 通信欄に「シリア」とご記入ください。
  • 領収証が必要な方はその旨お書きください。

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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 内藤裕子

2012年11月より東京事務局で広報を担当。大学卒業後、英国大学院で国際開発とジェンダーを学ぶ。NGOでのインターンやネパールでのフェアトレード事業を行う民間企業での勤務などを経てAARへ。(新潟県出身)

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