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ラオス:スポーツを通じて人生をより豊かに

2015年12月14日  ラオス障がい者支援
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AAR Japan[難民を助ける会]は、ラオスの首都ビエンチャンで障がい者スポーツを推進する活動を行っています。選手らとともに体育館で汗を流す駐在員の大城洋作からの報告です。

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練習前に手を合わせて気合を入れる選手たち(ラオス・ビエンチャン、2015年11月18日)

勉強や仕事だけではなく

障がいがあるために学校に通うことができない。障がいがあるために、働くことができない。障がい者への支援は、そうした問題を解決するための支援に重点が置かれています。AARでも、ラオスをはじめ世界7ヵ国で障がい者への教育・就労支援を行っています。しかし自分自身の生活を振り返ってみると、必ずしもすべての時間を仕事や勉強だけに費やしているわけではありません。余暇を活用してスポーツや趣味にいそしみ、楽しんでいます。そうした時間は、勉強や仕事と同様に、人生をより豊かなものにしてくれるのですが、こと障がい者支援においては、軽視される傾向にあります。AARは2000年からの約10年間、ビエンチャンで車いす工房を支援してきました。その経験を活かし、2015年6月より、車いすバスケットボール(以下車いすバスケ)の普及支援を開始しました。
車いすバスケは、パラリンピックの公式種目にもなっている代表的な障がい者スポーツです。ラオスでも行われてはいますが、それほど有名ではありません。また、障がい者がそれぞれの身体に合った車いすを入手できていなかったり、チームとして組織的に練習がされていなかったりと、多くの課題を抱えています。

やる気があれば経験不問!?

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「人生が明るくなった」と話すビ・ライ・チャンさん(29歳)

AARはまず、男女合わせて計30人の選手を募りまし た。「経験はないけれど、ぜひ挑戦したい」と応募して くれたのは、幼いころに患ったポリオが原因で両足に障 がいがあるビ・ライ・チャンさん(29歳)。以前通っていた職業訓練校で重量挙げの選手と して活躍していましたが、卒業後はスポーツを楽しむ機 会がまったくなかったそうです。自宅と職場を往復する だけの生活を送る中、知人から今回のAARの募集の話 を聞き、挑戦を決めました。「スポーツを 楽しむだけでなく、選手たちとの新た な交流も増え、人生が今まで以上に明 るくなりました。ぜひ多くの障がい者 が、僕のようにスポーツを経験する機 会を得られることを願っています」と話してくれました。AARは、応募者一人ひと りにインタビューし、障がいの程度や本人のやる気を確認したうえで、慎重に選定を行いました。

練習場所は、 ラオス国立リハビリテーションセンター 内の障がい者スポーツ用体育館。今までは予約を管理す るシステムがなかったため、練習時間が十分に確保でき ない状況が続いていました。センターと協議し、専任の 予約管理スタッフを配置してもらい、確実に練習ができ るよう改善しました。

実は激しい車いすバスケ

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首都ビエンチャンにある国立リハビリテーションセンター内にある体育館が練習場所

練習は毎週月・水・金曜の週3回。選手のほとんどは日中仕事があるため、練習時間は夕方です。最初に全体でストレッチをした後、パスやランニングシュートなど基礎練習をして試合形式の練習に移ります。車いすバスケはスピードの速い迫力あるスポーツ。ゲームが始まると、コートには、選手の掛け声や車いすのぶつかる音がこだまします。このスポーツの素晴しいところは、障がいのある人もそうでない人も平等にプレーができるところです。私も、もう1人の駐在員である岡山とともに練習に参加しています。私は通常のバスケの経験があるので結構自信がありました。しかし、車いすを操作しながら同時にボールを操ることは本当に難しく、経験の浅い私はほかの選手にボールを奪われ、守備でもすぐに抜かれてしまいます。逆に障がいがあっても、車いすを上手に操れる選手は、まさに水を得た魚のようにコートを縦横無尽に走り回り、華麗にシュートを決めます。悔しいので、日々練習を重ね、いつの日か反撃する機会を狙っています。

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車いすバスケのルールは普通のバスケットとほぼ同じ。選手のダイナミックな動きが魅力(2015年11月18日)

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車いすが大きい分、動きも激しく感じます(2015年11月18日)

強いチームを目指して

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「今日の練習はきつかった!」とさわやかな笑顔(2015年11月18日)

見た目はどれも同じに見える車いすですが、実は車輪のサイズやいすの幅、背もたれの角度がそれぞれ異なり、乗り心地を大きく左右します。自分の体に合った車いすでないと思い通りにコントロールできないだけでなく、転倒して怪我をする恐れもあります。現在、選手一人ひとりの障がいや体型に合った車いすを製造しています。今後も定期的な練習を継続するとともに、日本から指導者を招き、チームの強化に努めていく予定です。また、ほかのチームとのネットワークも構築していき、最終的には国内大会の運営を目標に掲げています。より多くの障がい者に車いすバスケの楽しさを知ってもらい、そしてより多くの人に障がい者スポーツを認知してもらうため、これからも全力で活動に取り組んでいきます。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

ラオス・ビエンチャン事務所 大城 洋作

2015年2月より現職。民間企業に勤務後、世界一周の旅に出る。途上国の人々の貧しい生活を目の当たりにし、少しでも力になりたいと2014年4月にAARへ。沖縄県出身

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