東京事務局
吉澤 有紀
ザンビアでのエイズ対策活動報告会を開催しました
記事掲載時のプロフィールです
11月17日、難民を助ける会事務所で、駐在員の山井美香によるザンビアでのエイズ対策活動の報告会を開催しました。HIV/エイズの問題や国際協力に関心がある、メディアでは報道されない現実を知りたい、という約20名の方がご参加くださいました。
世界で一番いのちの短い国
はじめに、東京事務局でザンビア事業を担当する坪井ひとしより、ザンビアの基本情報や、隣国アンゴラなどからの難民支援のために1984年より開始した難民を助ける会のザンビアでの活動の歴史と、現在のエイズ対策事業の概要を説明しました。また、ビルが立ち並ぶ都心と広大な大地にポツンと藁ぶきの家が1軒だけ建つ郊外の様子を、写真を使って紹介しました。
そして、1984年にザンビアで最初のエイズ患者が発見されて以降、2004年には平均寿命が32.7歳と世界で一番いのちの短い国となり、特に働きざかりの30~40歳代の感染者が多いという統計を通して、参加者の皆さまにザンビアでのエイズ問題の深刻さを知っていただきました。
ザンビアの人々とともに悩みながら
ザンビア駐在員の山井美香からは、現在行っている活動の中から、特にエイズで親を亡くした子どもたちへの就学支援について、報告しました。
活動開始当初は、子どもたちに学用品や学費を提供していましたが、現在はそれに加えて保護者が自ら学費などをねん出するための所得創出支援に活動が広がっています。その経緯や、所得創出のために行っている製粉 (主食であるシマの素となるとうもろこしの粉を挽く)や養鶏で直面した売り上げの伸び悩みなどの課題と、それを打開するための様々な試みが紹介されました。現場でザンビアの人々とともに活動している駐在員ならではのエピソードが盛りたくさんの報告でした。
日々悩みながらも、ひとりでも多くの子どもたちに学校に通ってほしいと願う山井の熱い思いが、参加者の皆さまに伝わったのではないでしょうか。
参加者の皆さまからの感想 | |
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・平均寿命が短いのに心が痛んだ。HIV/エイズに関する啓発活動の大切さと遺児たちの心理サポートの活動を尊敬する |
一方で、「寄付がどのように子どもたちに使われているのか、もっと詳しく知りたかった」「支援を受けて学校に行けるようになった子どもや保護者のインタビューがあればよかった」などのご意見もいただきました。皆さまからお寄せいただいたご意見を参考に、今後もわかりやすい活動報告会を目指してまいります。