駐在員・事務局員日記

暑い夏をパキスタンカレーで乗り切ろう!チキンカライのレシピ大公開

2014年08月12日  パキスタン
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執筆者

イスラマバード事務所駐在
原口 珠代

日本で看護師として働いた後、青年海外協力隊に参加し、マーシャル諸島で医療支援に従事。その後、当会や他のNGOで、旧ユーゴスラビアやアフリカ・アジア諸国での医療支援や母子保健事業などに携わる。2012年2月より現職。好きなパキスタンカレーは、オクラのカレー。鹿児島県出身

記事掲載時のプロフィールです

パキスタンでは、5月から気温40度近くの暑い日が続いています。事務所にはエアコンがありますが、計画停電で使えないことも多々あります。一日に水浴びを3回しても、暑いです...。一体、一般のパキスタン人はエアコンも使わず、この暑さの中でなぜ過ごせるのでしょう。スタミナの源は、あのスパイシーな食事だろうか?ということで、今回はイスラマバード事務所の原口珠代が、「パキスタンのカレー」について特集します。

カレーはインドだけではない!

さて、皆さん、そもそもカレーって何でしょう。一説によると、西洋料理の中でのカレーの定義は、「インド料理の中の"スパイシーでとろりとした煮汁のある料理"」だそうです。しかし、カレーはインドだけではありません!そこで、別の資料からとった「カレーとは、スパイスで味付けした煮物料理(汁気があるもの)」という定義に沿って、スパイシーなインドカレーとは一味違った、トマトとスパイスの風味豊かなパキスタンカレーを紹介したいと思います。

現地で人気のパキスタンカレーは?

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現地職員とのランチ風景。パキスタンに来てから、ほぼ毎日カレーを食べています

パキスタンカレーと一口に言っても、入っている肉や味付けによって、それぞれ種類が異なります。そこで、まずは美食家(単なる大食いとも言います)のパキスタン事務所現地職員の7人に、「あなたの最も好きなパキスタンカレーのトップ3を教えてください」というアンケートを実施しました。これで、上位3つのカレー料理を特集にしようと思ったのですが、重なったのは、たった1品だけ(それも、2票)。あとは、19品すべて違うカレーとなり、カレー料理は奥が深いということだけが分かりました。

これでは収拾がつかないため、材料でパキスタンカレーを説明することにします。色々な種類があるパキスタンカレーですが、大きく分けて①肉のカレー、②豆のカレー、③野菜のカレーと3種類にわかれます。そのほかは①~③を自由に組み合わせた応用カレーです。種類が多くなるわけですね。

主要材料は肉、豆、野菜

まず、主要材料を紹介しましょう。

肉:ラム肉、マトン肉、鶏肉、牛肉、各種ひき肉、内臓、そして卵。パキスタン人は、ラム(子羊)、マトン(親羊)の羊肉が一番好きなのだそうです。一番値段も高いので、「お・も・て・な・し」として出される料理は、ラム肉かマトン肉が使われることが多いです。ちなみに、パキスタンはイスラム国のため、豚肉は食べません。

豆:小豆、ヒヨコ豆、大豆、緑豆、レンズ豆、その他。豆の種類も非常に多く、説明しきれません。レンズ豆だけでも、白色、黄色、オレンジ色など色違いの種類があり、こちらではそれぞれに名前がついています。

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日曜に出るマーケットの豆屋さん

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左側の豆がヒヨコ豆。右側の黄色いレンズ豆が、豆カレーに使われます

野菜:オクラ、カリフラワー、瓜、なす、じゃがいも、ほうれんそう、ゴーヤ、かぼちゃなど。私の一押しは、オクラのカレーです!玉ねぎを炒めて、トマトを入れ、オクラを投入した後、塩とミックスマサラだけで味付するのですが、このオクラのとろみにサーラン(カレーの汁気)がうまく絡んで、ナンと抜群の相性です。

油とスパイスも重要な決め手!

そして、主要材料に続いてカレーに欠かせないのは、油とスパイス。パキスタンのサーランは、油・スパイス、そしてトマトとたまねぎで味が決まります。

油:パキスタンでは、4~6人家族で、月に約5~10リットルの食用油を使うそうです。とにかく、カレーに使う油の量はハンパではありません。そのせいか、パキスタンのどの料理番組も、提供は、すべて食用油会社が牛耳っています。

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スパイス屋さん。私の後ろにあるオレンジ色の山が「ミックスマサラ」です

スパイス(マサラ):スパイスについては、あまりにも多すぎて、知識がついていけません。よく使われるのは、「ミックスマサラ」と呼ばれるオレンジ色のスパイス。これ、赤チリパウダーのように見えますが、実は6~7種類のスパイス(クミン、コリアンダー、シナモン、クローブ、赤チリパウダー、ターメリックなど)が混ざっているのです。ミックスマサラは、普通はお店の人が独自に作って売っていますが、こだわる人は、好みに応じてチリを多く混ぜてもらったりしながら、ミックスマサラを目の前で作ってもらい、購入するそうです。

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チャパティを作るお母さん。だんごのようにした生地をめん棒で軽く伸ばしてから、空中で回して均等に丸く伸ばしていきます

そして、主食はナンかチャパティの2種類。ナンは小麦粉を水で練り、天然の酵母で発酵させてからタンドゥールと呼ばれる特別な釜で焼くもので、あちこちのマーケットでナン屋さんが見られます。チャパティは一般に家庭で作られるもので、アタと呼ばれる全粒粉と水とオイルが材料で、発酵させずにフライパンなどで焼きます。おばあちゃんやお母さんたちが、丸いだんごのようにした生地を、空中で手のひらを使い、回しながら薄く伸ばす様子は職人技です。日本で食べるカレーにはナンが付きものですが、パキスタンではより素朴で家庭で作れるチャパティの方が主流です。

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底の中心が少し盛り上がっている、「タワ」と呼ばれるチャパティ専用のフライパンで焼けばできあがりです。

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完成です!ナンよりも薄く、パリパリしています

大公開!代表選手「チキンカライ」の作り方

ここで、現地職員美食家へのアンケート第一位に輝いた、パキスタンの代表的なカレー「チキンカライ」の作り方を、一挙公開しましょう。ちなみにチキンカライの「カライ」とは、カレーのことではなく、深なべ(中華鍋のような形をしたなべ)の名称のことです。

<チキンカライの作り方>(パキスタン人:7人分、日本人:12~14人分)

材料:鶏肉(なるべく骨付きがよい、小さじ2の塩で軽く下味をつけておく)一口大2kg、イタリアントマト1/4カット大20個分、油200~250cc、にんにく10片、しょうが親指大1、青とうがらし1cm大カット10個、
調味料A<塩小さじ2~3、赤チリパウダー小さじ2、ターメリック小さじ1、クミン小さじ1/2、黒こしょう(挽いてないもの)5~6粒>

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①熱した油に、すりつぶしたにんにくを入れて弱火で炒め、茶色の焦げ目がついてきたら、すりつぶしたショウガを入れます。油の量に、躊躇されるかと思いますが、パキスタンカレーの場合は、この油が、スパイスをうまく調和し、サーランの味をよくするので、思い切って使うことをおすすめします。

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調味料Aは、パキスタン人好みの量ですので、辛いのがダメという方は、赤チリパウダーおよび青とうがらしの量を減らすか、入れなくても大丈夫です。

②次に、鶏肉を入れ、中火で炒めます。ある程度鶏肉に火が通ったら(写真中)、ミキサーにかけたイタリアントマト20個分(もしくは、1/4カット大のものをそのまま)と調味料Aを入れ、強火にかけ、沸騰したら弱火で煮込みます。

<裏話>:知り合いのパキスタン人家庭で、撮影をさせてもらったのですが、家族内で、そのまま1/4カット大のトマトを入れる派と、ミキサーにかけて入れる派で意見が分かれ、論争が勃発しました。結局、ミキサーにかけて入れましたが、カットだけしたものも上に乗せ、「どちらでもいいですよ」と、おさめました(笑)。

③煮汁が1/3程度になったら、青とうがらしを入れて完成です。

④チャパティ、ラッシー(飲むヨーグルト)といっしょに、いただきます!

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トマトはミキサーにかけても1/4カット大でもOK。青とうがらしの量はお好みで。

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写真では、皿に盛っていただいていますが、こちらでは、カライ(なべ)ごと食卓に出し、みんなでつつきます。日本の鍋料理に似ていますね

見た目は真っ赤で辛そうな鶏肉だけのシンプルなカレーに見えますが、トマトのフルーティーでさわやかな味とジューシーな鶏肉がスパイスにうまく調和して、日本やインドで味わうカレーとは全く違う、新しいカレーを味わうことができると思います。日本でも材料は手に入るので、ご自宅でもぜひパキスタンの味を試してみてくださいね。

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