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2016年、地雷被害者数が大幅に増加

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AAR Japan[難民を助ける会]が一員を務める、地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)では毎年、年間の地雷の使用状況や被害者数、除去の状況などをまとめた報告書「Landmine Monitor」を発行しています。11月22日、最新の報告書「Landmine Monitor 2016」(以下モニター)が発行されました。
モニターによると、2015年に地雷や爆発性戦争残存物(Explosive Remnants of War: ERW)の被害者は6,461人と、前年2014年の全犠牲者3,695人と比べて75%の増加となり、過去10年間で最多となりました。そのうち亡くなった方は少なくとも1,672人に上ります。また、モニターが地雷被害者数の調査・記録を開始した1999年からの犠牲者数の累計が10万人を超えたとも伝えられています。2015年に被害者が急増した原因には、シリアやリビアなどでの武力紛争などが挙げられています。

モニターによると、2015年のシリアの地雷被害者の数は864人、前年の174人と比較して約5倍にも増えています。これは、2014年まではシリア国内の地雷被害状況をほとんど把握できていなかったこと、2015年からは隣国へ逃れた難民へのインタビューなどを含む、大規模な調査の結果、手に入る情報量が増えたことに起因しているようです。AARも、2015年からシリア国内で地雷対策を行っており、地雷被害者の調査もその一環として実施していますが、調査ができるのは比較的安全に活動が可能なわずかな地域に限られています。実際の被害者数はさらに多いであろうことが推測できます。

また、シリア以外にも、AARが地雷対策活動を実施しているアフガニスタン、ミャンマー、スーダンが、地雷被害者の人数で上位を占めています。

2015年に100人以上の地雷犠牲者が確認されている国

国名被害者数
アフガニスタン 1,310
リビア 1,004
イエメン 988
シリア 864
ウクライナ 589
コロンビア 221
マリ 167
ミャンマー 159
パキスタン 132
カンボジア 111
スーダン 104

アフガニスタンでは、非政府組織による、人の接近や接触で爆発するIED(即席爆発装置)の新たな使用が確認されており、年間1,300人を超える被害者が生まれています。一方で、除去活動も活発に行われており、2015年は35.4平方キロメートルの地雷原の地雷除去が完了し、安全な土地に戻りました。
ミャンマーでは、主に内戦が続く地域において、政府軍、反政府組織双方による地雷の使用が確認されていますが、被害者の数は2014年の251人から大幅に減少しました。

これらの国々では、各地で武力衝突が続き、地雷対策活動も困難を極めています。しかし、一人でも多くの命を地雷被害から守るため、当会は地雷対策を続けてまいります

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