12月3日は国際障害者の日~イエローリボンで障害者問題を考えよう~
世界の人口の10人に1人が障害者
国際障害者の日(毎年12月3日)は、障害者問題への理解促進、障害者が人間らしい生活を送る権利とその補助の確保を目的とした記念日です。1982年12月3日に第37回国際連合総会において「障害者に関する世界行動計画」が採択されたことを記念して、1992年の第47回国際連合総会において宣言されました。
世界銀行によると、世界の人口の10人に1人が障害者で、その大半(約8割)が途上国の農村に暮らしているといわれています。また、世界保健機関(WHO)によると、障害者の10人に1人(約650万人)が車いすを必要としていますが、その内の約3割(20万人)が、経済上の理由などにより、車いすを買うことができません。
12月3日は国際障害者の日、そして日本では、12月3日~9日は内閣府が定めた障害者週間です。また、12月13日には、2006年に障害者権利条約※ が採択されてから4年になります。
障害者権利条約を日本でも広く普及し、障害者の社会参加の推進を支持する象徴として、「イエローリボン」があります。イエローリボンは、障害者の社会参加 と障害者権利条約の推進のシンボルです。日本は、2007年に障害者権利条約に署名しましたが、いまだに批准はされていません。
イエローリボンを身につけることによって、「障害があってもなくても、すべての人々が幸せに暮らしていくことのできる社会をつくろう」というメッセージを表すことができます。
この機会に、障害のある人もない人も、ともに暮らしていくことのできる社会を作るため、障害者問題について一緒に考えてみませんか?
※障害者権利条約・・・障害がある人とない人とが平等に扱われることを定めた条約です。障害があってもなくても、すべての 人が平等で、同じように尊厳を持ち、自己決定のできる、ひとりの人であると規定しています。 |
『障害』ってなに?
WHOは、「障害の本質的な問題点は、その人の活動が制限されたり、社会への参加ができなくなること」と捉えています。そして「障害には心身の機能や身体の構造に起因するものと、社会環境に起因するものがある」と分類し、「福祉用具を使ったり、人が支援することで生活上の制限を取り払うことは、社会を変えて障壁をなくすことで、障害は障害でなくなる」という考え方を提示しています。
そして、障害を持つ人とその身の周りの環境を調整するだけでなく、ほかの人の姿勢を改善し、心のバリアを除くことで、障害があってもなくても、ともに生きる社会を築くことができる、と考えられます。
貧困と障害の関係は?
途上国では貧困と障害の問題が密接につながっています。障害を持つと、差別や偏見などのために学校に通ったり、仕事に就くことがとても難しくなり、貧困から抜け出す機会が制限されてしまいます。また、妊娠中のお母さんが十分に栄養のある食事をとることができないことで、障害を持って生まれる赤ちゃんも多いのです。福祉や医療サービスの不足のため、なかなかこうした状況は改善していきません。
難民を助ける会の取り組み
ミャンマー(ビルマ)、ラオス、カンボジア、スリランカ、アフガニスタン、タジキスタン、ハイチで障害者支援を行っています。
難民を助ける会の障害者支援活動については、こちらをご覧ください。
私たちにできること
ご寄付で
1,000円で | ミャンマーで、障害者一人が1カ月間、自立のための職業訓練を受けるのに必要な資材がまかなえます。 |
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2,000円で | アフガニスタンで、障害者一人に、早期回復に欠かすことのできない、理学療法やリハビリテーションを提供することができます |
14,000円で | ラオスで、それぞれの障害や身体に合った車いすを1台製造し、障害者に提供できます。 |
イエローリボンサニーちゃんを購入しよう
啓発冊子を読んで考えよう
途上国に住む障害者の現状と、障害者支援、私たちにできることについて説明した冊子、『みんなのための社会(Society for All)~障害分野から世界を変える』を無料で差し上げています。ご希望の方は、こちらのお問い合わせフォームよりお申し込みください。
※障害を持つ方々を表すのに、「障害者」以外にも様々な表記が使われています。例えば、「障碍者」、「障がい者」、「障害をもつ人々」、「障害のある方々」などです。 難民を助ける会では、様々な方の意見を受けて、当面、「障害者」、「障害を持つ」、「障害のある」の表記を使用することにいたしました。今後とも、時代や社会状況の移りかわりとともに積極的に見直しを行っていきます。 |
イエローリボンについて詳しくは日本障害フォーラムのサイトをご覧ください。