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理事長の長有紀枝が参議院の東日本大震災復興特別委員会で提言しました

2011年06月20日  お知らせ日本緊急支援
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「高齢者、障害者、女性や子どもなど、災害弱者の視点を含んだ支援を」

参議院で提言する長有紀枝

参議院の東日本大震災復興特別委員会にて発言する理事長の長有紀枝

6月16日(木)に行われた参議院の東日本大震災復興特別委員会で、難民を助ける会理事長の長有紀枝が参考人として復興支援に向けた提言をしました。「震災がつなぐ全国ネットワーク」の栗田暢之代表、京都大学大学院工学研究科 (都市社会工学専攻)の藤井聡教授とともに、意見を述べました。
長は、長年海外で緊急支援を行い、また震災直後から現地で活動を続けるNGOの立場から、復興支援においても国際基準を活用して、高齢者、障害者、女性や子どもといった災害弱者に配慮した支援、またそうした方々を意思決定の場に含めることが必要であるなどと提言。その後は参加した議員から様々な質問を受けたり意見を求められました。以下は、当日の長の提言の要旨です。

「東日本大震災復興支援への提言」
参考人:特定非営利活動法人 難民を助ける会理事長
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科教授
長 有紀枝

はじめに

  • 人間の安全保障の視点からの復興:東日本大震災は、国家の安全保障の問題。しかし、復興は被災者個々人に焦点をあてた「人間の安全保障」の視点からなされるべき
  • 復興とは何か 立谷秀清・相馬市長の「復興」の定義
    「今回の震災で、今までの人生設計が突然中断された被災者が、(お年寄りならお年寄りの、若い人なら若い人の)、それぞれの人生の段階で、それぞれが人生設計、計画が立てられるようになること」

1.    「人間の安全保障」を確立する災害復興のために、国際協力の視点・知見を生かし、世界的な援助の潮流・ガイドラインを取り入れる
  • 国際協力の現場における災害対策知見のある官民人材の活用
  • 国際協力NGOの専門性を活用(質・量ともに)
  • ドナー国として貢献してきた、国際機関の活用
  • 取り入れるべきガイドライン:Sphere, 権利ベースアプローチ、障害者の権利条約、災害と女性の視点など

2.    災害復興の意思決定に、被災自治体・住民のみならず、障害者、女性など多様な当事者を含める

"Nothing about us, without us." 
(「自分たちのことは、自分たちで決める。私たちなしに、何も決めてほしくない」という当事者参加のスローガン)
足りないのはモノやサービスのみならず、知識や教育、意識を含めた当事者参加の機会


3.    復興庁の機能に、東日本大震災対応の経験に基づき、将来の広域災害対策を盛り込む
復興庁に加えるべき視点

  1. 個別ニーズを特定するための被災者状況の把握(統一された被災者台帳の欠如、個人情報保護との関係)
  2. 人道支援ニーズ、復興ニーズの調査の実施
  3. 市町村を横断した視点(専門領域視点、自治体のGood Practiceの共有など)
  4. 国際協力の専門家の知見の活用
  5. 放射能が人体に与える影響について知見をもつ医療専門家を復興政策立案に活用

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