寄付金控除の仕組みが新しくなりました
難民を助ける会へのご寄付について、最大で寄付金額の半額近くが控除される新しい税制が、2011年6月、成立しました。従来の、総所得金額の合計額からの控除(所得控除)と、新しい制度による控除(税額控除)のいずれか有利な方を選ぶことができます。
新寄付金税額控除制度 Q&A
認定NPO法人への寄付金に関する税制が変わったと聞きましたが、わかりやすく教えてください。
東日本大震災で関心が高まっている寄付やNPOの活動を税制面で後押しする法律(改正NPO法)が2011年6月の参院本会議において全会一致で可決・成立しました。その中で、個人の方が難民を助ける会のような「認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)」に対して寄付した金額のうち、半分近い金額が所得税や住民税から減額(税額控除)できることになりました。
従来の寄付金税制との違いは何ですか?
従来は、確定申告で所得を減額する「所得控除」の制度でしたが、新しい制度は、確定申告で税金そのものを減額する制度です。
具体的にはいくら税金が安くなるのですか?
従来の所得控除の場合
寄付金の合計額(注1)から2,000円を差し引いた金額を、寄付をした方のその年分の総所得金額の合計額から控除することができます。
新しい税額控除の場合
寄付金の合計額(注1)から2,000円を差し引いた金額の40%(注2)を、寄付をした方のその年分の所得税額から控除することができます。
注1:寄付金の合計額が総所得金額の40%を超える場合は、総所得金額の40%が上限
注2:控除する金額がその年分の所得税額の25%を超える場合は、所得税額の25%が上限
税額控除の場合、例えば
難民を助ける会に1万円を寄付した場合
所得税の減額が
(10,000円-2,000円)×40%=3,200円
住民税の減額が
(10,000円-2,000円)×10%=800円
合計で4,000円の税金が安くなります。
難民を助ける会に10万円を寄付した場合
所得税の減額が
(100,000円-2,000円)×40%=39,200円
住民税の減額が
(100,000円-2,000円)×10%=9,800円
合計で49,000円の税金が安くなります。
なお、お住まいの地域によっては、住民税の減額がされない場合がありえます。住民税が控除の対象となるかは、お住まいの都道府県、区市町村税務担当課にお問い合わせください。
この新制度を受けるために注意すべき点は何ですか?
- 寄付した相手(難民を助ける会)から領収書をもらう。
- 必ず確定申告を行う。
- 確定申告書に1の領収書を添付する。
ことが必要です。
この点は従来の寄付金税制により控除を受ける際と同様です。
難民を助ける会のどの活動への寄付も対象となりますか?
全ての寄付と、協力会員会費が対象となります。正会員会費、チャリティグッズ・コンサートチケットの代金、送料、手数料、物品の寄付(切手やテレホンカードなど)は、従来の制度、新制度いずれでも控除の対象とはなりません。
専業主婦で所得がありませんが、税金は安くなりますか?
所得の無い方は所得税や住民税がゼロなので、従来の制度も新しい制度も利用することができません。配偶者に所得がある場合は、配偶者の方が寄付されることをお勧めします。
この新制度はいつ行った寄付から対象となりますか?
2011年1月1日以降の寄付について遡って適用されます。難民を助ける会では、領収証の発行は、ご不要のお申し出も多くいただくため、ご依頼いただいた方にのみお送りしております。2011年中のご寄付の領収証については遡って発行いたしますので、必要な場合はご連絡ください。
(電話:03-5423-4511、FAX:03-5423-4450)
監修:公認会計士・税理士 山口明彦
この制度について、また確定申告手続きの詳細については、お近くの税務署にお問い合わせください。
【このお知らせに関するお問い合わせ】
担当:小川・稲邉
TEL:03-5423-4511