高畑勲さんの訃報に接して
このたびの高畑勲監督の突然の悲報に接し、心よりお悔やみを申し上げます。
高畑監督とは、AARが行っている東日本大震災の緊急支援活動にご協力いただいたのが、最初のご縁でした。2013年11月には、被災した方々に楽しいひと時をお過ごしいただこうと福島県相馬市で映画の上映会を企画した際、高畑監督の最新映画『かぐや姫の物語』の上映をご快諾いただくとともに、上映会当日には監督自らお越しになり、舞台でお話をしてくださいました。その時の、会場につめかけた相馬や南相馬、そして飯舘の子どもたち、そして大人たちの笑顔と興奮を忘れることができません。
私自身はその後2016年に、シンポジウム『東日本大震災5年メモリアル「共生の防災を考える」』(於東京大学)で、共にパネリストとしてご一緒させていただいたこともありました。
昨年末は奥様とともに、AAR主催のチャリティコンサートにご来場いただき、つい先月にもご芳志をお寄せいただいたばかりの突然の訃報に、驚きの念を禁じえません。
ご遺族の皆さまのご心痛はいかばかりかと、ご拝察申し上げます。高畑監督のこれまでの温かいご支援への感謝と共に、衷心よりご冥福をお祈り申し上げます。
最後に昨年いただいたお年賀状の一節をご紹介します。
「公平で、自由で、仲良く
平穏な生活のできる国
海外の戦争に介入せず
国のどこにも原発と外国の軍隊がいない
賢明強靭な外交で平和を維持する国
サウイフ国デ ワタシハ死ニタイ です。
2017年1月元旦 高畑 勲」
合掌 難民を助ける会理事長 長有紀枝