活動ニュース

AARをご支援くださる企業担当者の皆さまと交流会を行いました

2019年04月12日  日本
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2019年3月11日、AAR Japan[難民を助ける会]6階交流スペースにて、AARをご支援くださる企業9社から社会貢献のご担当者11名をお招きし、第1回目となる交流会を開催しました。この交流会は、企業とAAR双方にとって、より有意義な協力・協働の在り方を検討するため、また、ご参加者同士の情報交換の機会にしていただくことを目的に企画しました。当日は、AARより日ごろのご支援への感謝を改めてお伝えすると同時に、AARの活動の原点である難民問題についてお伝えしました。また、各企業の皆さまからはAARへの期待や、自社の社会貢献の取り組みと課題についてお話しいただきました。

ご参加くださった皆さまとAARスタッフで記念写真

前列左から2人目より、エーザイ株式会社・飛弾隆之様、(一人おいて)オカモト株式会社・河原璃奈様、後列左から2人目より、株式会社虎屋の住吉正二郎様、ユースキン製薬株式会社・津川桂様、株式会社リコー・櫻井真理子様、MS&AD インシュアランスグループホールディングス株式会社・宮本委代様、リコージャパン株式会社・鳴島里美様(前列左端はAAR事務局長の堀江良彰、前列右端は同・野際紗綾子。後列右端は同・吉澤有紀、左端は同・櫻井佑樹、左から2人目は同;久保田雅文)

AARを長期的に支援する「法人サポーター」

9社のうち、2018年度に新設した「法人サポーター」としてもAARをご支援くださっているMS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社の唐澤篤子さまと宮本委代さま、そしてユースキン製薬株式会社の津川桂さまより、自社のご紹介と社会課題解決のための取り組みについてお話しいただきました。MS&ADインシュアランスグループホールディングスの唐澤さまと宮本さまは、同社が保険事業を通じて社会との共通価値を創造するために、世界の共通目標であるSDGs(持続可能な開発目標)を道標として取り組まれている重点課題について、また社員の皆さまが行う地域社会への貢献活動などについてご説明くださいました。ユースキン製薬株式会社の津川さまは、同社が参加されている市民運動で、オレンジリボンを広めることで子ども虐待をなくすことを呼びかける「オレンジリボン運動」についてお話しされました。

自社の取り組みについてPPTを使って説明される唐澤さまと宮本さま

サステナビリティ(持続可能性)への取り組みについてお話しされるMS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社の唐澤篤子様(右)と宮本委代様

パンフレットを手に説明される津川さま

ユースキン製薬株式会社の津川桂様(中央)が、同社の社会貢献活動についてご説明されました

AARの法人サポーター制度についてはこちらをご覧ください。

法人サポーター

「迅速できめ細かい支援と報告に信頼感」

その後、参加者の皆さま全員に、お一人ずつ自社の取り組みやAARとの関係などについてお話しいただきました。AARをご支援くださる理由やAARの評価について、「緊急支援の初動が早い」「被災地の方々に(企業からの)支援物資を直接届けてくれる」「きめ細かい支援に加え、必ず活動報告に来てくれるので信頼している」などのお言葉をいただきました。

キッコーマン株式会社の岡村弘孝様

キッコーマン株式会社の岡村弘孝様は、AARを通じて東日本大震災の復興支援を継続しますとお話しくださいました

オカモト株式会社の河原璃奈様

社員の皆さまへAARの活動をお伝えする機会を作ってくださっているオカモト株式会社の河原璃奈様

株式会社虎屋の住吉正二郎様

株式会社虎屋は、東日本大震災の被災地などで同社の羊羹と抹茶でお話をする「お茶っこ会」を続けておられます。写真は同社の社会貢献活動についてお話しされる住吉正二郎様

株式会社虎屋の下川雅史様

同じく株式会社虎屋の下川雅史様は、AARは同社の商品を「私たちがすぐには入れない場所に届けてくれてありがたい」とお話しくださいました

株式会社リコーの櫻井真理子様

株式会社リコーの櫻井真理子様は、同社およびグループ会社の社員有志による「リコー社会貢献クラブ・FreeWill」での取り組みと、AARとの関係についてお話しくださいました

リコージャパン株式会社の鳴島里美様

リコージャパン株式会社の鳴島里美様は、家庭に眠る不用品を寄付する「お宝エイド」を通じた支援についてお話しくださったほか、「(AARを通じて)被災地の団体につながるなど、ネットワークが広がり嬉しいです」とお話しくださいました

最新の難民情勢やNGOとの協働事業についての講演も

その後、AAR理事長の長有紀枝より、「難民を取り巻く国際情勢について」と題した講演を行いました。難民条約がどのように成立したか、また、難民条約に定義された難民だけでなく、紛争や暴力、迫害により、世界で移動を強いられた人々が約6,850万人(2018年6月発表)いるという現状や、難民受け入れ国の85%以上が開発途上国であること、また日本の難民受け入れ状況についてもご説明しました。その後、AARの姉妹団体である社会福祉法人さぽうと21が支援するイラン難民の男性が、自らの経験についてお話しされました。

次に、エーザイ株式会社ポリシー・アドボカシー&サステナビリティ部ESG推進グループ長の飛弾隆之さまより、同社の取り組みとAARとの協働事業についてお話しいただきました。同社の理念であるヒューマン・ヘルスケア(hhc)(医療の主役である患者とその家族に資することを第一義的に考え、世界のヘルスケアの多様なニーズを充足する)と、その理念を実現するための事業として、開発途上国や新興国で行う顧みられない熱帯病(NTDs)の制圧に向けた取り組みや、NTDsの一つであるマイセトーマ対策のため、アフリカのスーダンで同社とAARが治療や予防啓発などの協働事業を行うことをご説明くださいました。

AAR理事長の長有紀枝

世界の難民を取り巻く国際情勢についてお話しするAAR理事長の長有紀枝

エーザイ株式会社の飛弾隆之様

同社の取り組みとAARとの協働事業についてお話しされるエーザイ株式会社の飛弾隆之様

グループで意見やアイデアを交換

後半はグループに分かれて、前半の発表や講演に対する意見交換を行いました。主に国内で事業展開をされている企業のご担当者の皆さまからは、本業を通じた支援を海外の難民のために展開するのは難しいとしながらも、国内にいる難民の方々の雇用に貢献できないかというご意見が出ました。また、多くのご担当者の方々が、社会貢献活動を社員に浸透させることに課題を抱えており、社員を巻き込むための各社の取り組みについてアイデアを出し合ったほか、「担当者レベルよりも役員クラスなどトップによるコミットメントがあると活動を展開しやすい」というご意見に頷き合う場面もありました。企業とNGOとの協働事業については、「NGOが企画力を磨くことで企業とのさらなる連携の可能性が深まる」とのご意見がありました。

グループディスカッションの様子

グループディスカッションではさまざまな意見やアイデアが出ました

お互いに意見交換をする担当者の皆さん

CSR担当者ならではの悩みに共感したり、各社の取り組みを聞き熱心にメモを取る姿も

「今後も交流の機会を」

その後はAARの役職員も参加し、ざっくばらんな意見交換をすることができました。参加者の皆さまからのアンケートでは、「他社の取り組みについて知る機会となり、大変勉強になった」「皆さんがどんなことで悩んでいるかがわかってよかった」「(支援)現場のリアルな状況を知ることができてよかった」など、さまざまなご感想をいただきました。AARへの要望としては、「社員が参加できる活動のアイデアが欲しい」「こうした交流の機会を今後も設けてほしい」などのご意見をいただきました。今後の活動に活かしてまいります。

お忙しい中ご参加くださった皆さまに、改めまして心より御礼申し上げます。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 伊藤 美洋

大学を卒業後、4年半の企業勤務を経て1996年よりAARへ。広報・渉外・チャリティ商品担当。3児の母。

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