アフガニスタン:市民社会組織の運営能力を強化
アフガニスタンには、貧困や男女格差などの課題に取り組む日本のNGOのような市民社会組織(CSO)が多く存在します。CSOは、最も住民に近い立場で人々の声を汲み上げ、支援を届けることができますが、特に都市から離れた地域のCSOには技術力や資金がなく、人々の声に十分応えられていません。そこで、AAR Japan[難民を助ける会]を含めた日本のNGO3団体(日本国際ボランティアセンター、ピースウィンズ・ジャパン)は、アフガニスタンの代表的な2つのCSOとともに、組織の運営能力強化研修と、組織間の連携を強めるための活動を2013年3月に開始しました。
7年間の活動のうち、最初の3年は各組織の運営能力の強化支援を集中的に行いました。国内の全34県中31県において176回の研修を実施し、計5,115名(うち1,403名が女性)の市民社会組織の職員が参加しました。参加者からは「マネジメントやリーダーシップを学ぶことができ、とても有益な機会だった」という声が聞かれました。
4年目からは、研修で習得したスキルを生かす実践の場として、各組織が計画した活動を実施するための資金を補助する取り組みを開始しました。多くのCSOが女性の生計支援や障がい者支援など、社会的弱者のための活動を計画。計12のCSOに活動資金を補助し、事業が完了するまでをサポートしました。事業最終年には7年間の成果として、研修内容をまとめた冊子と、持続的な組織運営についての冊子を作成しました。研修の成果が定着し、持続することが期待されます。
【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 古川 千晶
2010年に入職し、ハイチ駐在員として大地震後の復興支援に携わる。2012年より東京事務局でアフガニスタン事業などを担当するほか、2015年ネパール大地震、2016年熊本地震など数々の緊急支援に携わる。2019年より支援事業部長/事務局次長。大阪府出身