障がい関連団体など2,771ヵ所にコロナ対策支援
世界中に拡大する新型コロナウイルス感染は、発生から1年半を経た現在も収まる気配がありません。AAR Japan[難民を助ける会]は昨年来、感染した場合に重症化しやすいとされる透析患者の方々、クラスターの発生が懸念される障がい福祉事業所などに対し、衛生用品の配付を中心とした支援を実施しています。2020年4月にコロナ対策緊急支援を開始して以来、これまでに全国2,771ヵ所の障がい関連団体・施設、病院(障がいのある人とその家族、福祉・病院関係者など合計16万1,720人)に支援を届けました。
障がい福祉事業所などへの物資配付にあたっては、全国や地域にネットワークを持つ障がい関連団体と連携して、それぞれの事業所で必要とされる物品をきめ細かく確認し、ニーズに合った支援を届けるよう努めました。支援パッケージには、マスクや消毒液のほか、ゴム手袋や非接触型体温計、感染者が発生した場合に備える防護服などを選びました。
各地からAARに届いた多くのメッセージの中から一部を紹介します。
「状況が深刻化するに伴い、身の回りでいつ感染が起こるかもしれない怖さを感じております。物品があることで、安心感が得られます。皆様も活動が制限される中、ご支援いただきまして感謝申し上げます」(福島県郡山市)
「消毒液噴霧器は活動をしている部屋の出入口に設置しました。手をかざすだけで消毒できるので、力の加減も必要なく手指の過敏さもある利用者さんも上手に使うことができています。また、フェイスシールド、ゴム手袋は食事の介助や口腔ケアに使用しており、飛沫による感染予防になっています。今また感染が拡大している中、利用者さんの命を守るため、健康を守るため、さらには利用者さんの今までの日常生活を守るため事業所を閉じるわけにはいけません。このような感染予防対策のための物資はとても助かります。本当にありがとうございました」(栃木県鹿沼市)
「業務上、介護用手袋は毎日大量に消費します。購入も今までの価格の倍まで高騰しているため、品質を落とした手袋を使ってしのいでいます。こういった善意を受け取ることで大変助かっています」(広島県広島市)
コロナ禍が続く中、各地の障がい福祉事業所でも感染やクラスターが発生しています。感染拡大で事業所が休所すると、利用者の方々の日常生活の場が失われてしまうため、福祉関係者は独自にPCR検査を行うなど感染防止策を懸命に講じています。AARは障がい関連団体と連携して、PCR検査キットの配付支援を予定しています。1回分の検査キットは約1万円で、10~20キット(10~20万円)あれば、運営規模の小さい事業所1ヵ所の利用者と職員の方々の検査を行うことができます。
日本と世界の誰もが等しくコロナ感染の危険にさらされる今、互いの思いやりと連帯こそが、この未曽有の危機を乗り越える力になると私たちは考えます。AARのコロナ対策支援へのご理解・ご協力を重ねてお願い申し上げます。
*これらの活動は、皆さまからの温かいご寄付に加え、ジャパン・プラットフォーム、READYFOR・東京コミュニティー財団、J-Coin基金、Give2Asia、住友財団の助成を受けて実施しています。
【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 生田目 充
大学で中国のハンセン病の元患者が暮らす村を訪問するサークルに所属し、 周囲からの差別解消や理解促進に従事。物流会社に勤務した後2016年4月、AARへ。 ミャンマー事業などを担当後、現在は国内の緊急支援事業を担う。趣味はサッカー、読書。茨城県出身
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