スリランカ事務所
柴崎 大輔
日曜学校で学ぶ子どもたち
記事掲載時のプロフィールです
教育熱心なスリランカでは、日曜でも子どもたちは学校に通います。この「日曜学校」は、いわゆる受験勉強をする場所ではありません。さてどんな内容でしょうか...?
スリランカは受験王国!
スリランカは、もともと教育に対する意識が非常に高く、教育に力を入れるのは、どの親も同じです。学校は週休二日。朝は8時から始まり、短い休憩を取りながら、14時まで。その後、生徒たちの多くは塾に通い、受験勉強をします。そう、この国は受験王国なのです。日本でもスリランカでも受験競争では、とにかく試験でいい得点を取ること。ただ、スリランカでは、大学に進学できるのは、ほんの一部で、その意味では、大学進学は狭き門であり、エリートの象徴です。
さて、そんな子どもたちも日曜日ぐらいは勉強の疲れを癒すべく、家でのんびりしているのかと思ったら、「日曜学校」に出席するのが常とのこと。特に、難民を助ける会が活動している地区の住民は、ほとんどが仏教徒ということもあり、彼らは、日曜日の朝から昼にかけて、近くのお寺に通います。そして、仏教の教えや道徳を学んでいます。この「日曜学校」はボランティア活動でもあり、近くの村では、村長さんが校長先生となり、直接子どもたちにしつけを教えているそうです。
環境問題にも興味津々
難民を助ける会が現在実施している心のケア事業の大きな柱は、「教育支援」。当会は、その一環として、このような「日曜学校」をサポートしています。例えば、環境問題についての啓発活動もその一つです。スリランカでは年々、水質汚染がひどくなってきており、洪水にもみまわれるといった水害があります。もともと、自然に囲まれた環境で育ってきた子どもたちは、環境問題についても関心が高いのです。情報が限られているので、なかなか環境問題について学ぶチャンスはない分、どうして?という探究心が非常に強く、現場のスタッフに質問攻めの子どもたちです。
コミュニティの調和を目指して
この「日曜学校」では、津波直後、被災した子どもたちも受け入れて、一緒に道徳などを学ばせたそうです。村長のルーワンさんから「だから、これから引っ越してくる子どもたちともうまくやっていく自信がありますよ」との、とても頼もしい言葉をいただきました。このような仏教の教えを子どもたちが一緒に学ぶことで、様々な障害を乗り越えて、同じ価値観を共有し、コミュニティの人々が徐々に調和していくことができるよう願っています。