
アンゴラ事務所
名取 郁子
アンゴラ事務所
名取 郁子
滋賀県出身。2006年7月よりアンゴラ駐在。主に地雷対策事業を担当。英国の大学院で開発学を専攻。国連機関職員としてアンゴラで3年、NGOの一員として東ティモールで2年勤務後、難民を助ける会へ。
記事掲載時のプロフィールです
難民を助ける会は、アンゴラで活動する唯一の日本のNGOとして、北東部ルンダスル州とルンダノルテ州で地雷回避教育事業を行っています。
アンゴラの市場に並ぶ魚たち
こんにちは!アンゴラの今日(5月5日)の天気は晴れ、気温は30度です。アンゴラは基本的に季節は2つだけ、9~5月は暑い雨季で、6月頃になるとカシンボと呼ばれる涼しい乾季に入ります。
しかしながら、実際の生活は暮らしやすいとは言えません。物価は日本並みかそれ以上、治安も悪く、水道、電気などもよく止まります。でも、アンゴラ人はなんでも冗談にして笑い飛ばしてしまうラテン気質の人たちなので、不便な生活でも楽しく過ごせます。
アンゴラ湾は「グレイト・フィシュ・ベイ(偉大なる魚の湾)」との異名を持つほどたくさん魚がとれ、おいしい魚料理を楽しむことができます。またヤシ油やピーナッツの粉を使った、美味しい地元料理もいろいろあります。
雨が降るとあっという間に道はぬかるみ、道路は大渋滞に
アンゴラでの最近の話題。といっても、まだまだテレビやラジオを持たない人が多く、誰もが知る共通の話題は限られます。首都のルアンダでは2月頃から何度か大雨が続き、家が流されたり人が亡くなったりしたため、「雨でどの道路が通れなくなった」とか、「どこの橋が落ちた」とか、人々の間では雨に関する話が多いです。
首都ルアンダは人口400万人といわれていますが、この規模の都市にあるべき地下鉄や電車がまったくありません。移動手段は車のみ。そのため、大雨が降ると普段の渋滞が輪をかけてひどくなり、ほんの10kmの道のりに5時間かかることもあります。
水道管が通っている家庭は少なく、子どもから大人まで、水くみは大事な仕事です
アンゴラは、西を大西洋に接し、クワンザ川など豊富な水源があるため、国自体には水は充分あります。けれども、各家庭へ給水するためのインフラが整っていないため、アンゴラの一般の家庭では、慢性的な水不足に悩まされています。首都ルアンダでもよく水が止まり、半日や3日、ひどい時には1週間の断水も日常茶飯事です。
このため、各家庭では水が出る時にお風呂や大きなタンクに水をためておき、それを汲んで使う、またはタンクの水を電気ポンプで水道管に送って蛇口から出るようにするなどの設備を整える必要があります。とはいえ、電気もよく止まるので、電気ポンプそのものを動かすための発電機も必要になります。
可愛い子どもたちと、今日もサバイバルの日々です
しかし、水道管が通った家に住んでいるのは、都市部の一握りの住民だけです。大多数の家庭では、毎日水を汲み、家のバケツや庭に掘ったタンクに溜めます。ご近所の水道から水がでればただでもらってくる人もいれば、給水車や水運び屋さんから買ったり、川まで汲みに行ったり、中には勤務先にバケツやペットボトルなどを持って行き、水を入れて持ち帰る人もいます。みなそれぞれに工夫して、なんとかしのいでいます。
ルアンダでは、外で水を買うと普段は25リットルが15円ですが、水が止まったときは一気に75円にはねあがります。
私の住む住居は、水タンクと発電機が備え付けられ、恵まれた環境にあります。しかし、それでも発電機が故障し水や電気のない状態になったこともしばしば。
水のありがたさを感じ、アンゴラの人たちの明るさに支えられながら、日々過ごしています。