ラオス事務所駐在
福岡 幹彦
ラオスのオアシス。人々に恵みを与える憩いの場
2008年11月よりラオス事務所駐在。作業療法士として大学病院にて4年間勤務後、青年海外協力隊員としてフィリピンでリハビリテーションを普及するプロジェクトに従事。帰国後、難民を助ける会へ。(北海道出身)
記事掲載時のプロフィールです
難民を助ける会では、ラオスの首都ビエンチャンの国立リハビリテーションセンター内で、国際協力機構(JICA)と連携し、車イスの製造と配布を行っています。今回は、ラオスの憩いの場をご紹介します。
皆さん、こんにちは!
日本では厳しい暑さが続いているようですね。私が生活するラオスはジメッとした雨季の真っ最中です。降り注ぐスコールに気持ちも沈みがちになりますが、農家の人々にとっては、まさに恵みの雨となっています。農家の恵みが雨ならば、都会に住む人々に恵みを与えるものは一体・・・。ということで、本日はラオスの人々に潤いを与える、「ラオス憩いの場」をレポートしたいと思います。
働く男たちの憩いの場
真夏の車イス工房は暑さとの闘いです!!立っているだけで体がダルくなる気温の中、Tシャツの色が変わるほど汗をかきながら、車イス技師は溶接や組立て作業に精を出します。暑さに負けず働く彼らの姿を子どもたちが見たら、「家ではラオラオ(お酒の回し飲み)ばかりしているけど、働く父ちゃんはカッコいい。」そう思うに違いありません。
そんな働く男たちに束の間の休息を与えてくれるオアシスが、工房脇にある、屋根とベンチを置いただけの、吹きっさらしの東屋です。昼休みには人が集まり、談笑をして、最後はイスの上にゴロリ。私も時々ゴロリ。「うーん、気持ちいい。」風が気持ちよくて、思わずウトウトしてしまいます。
横になる人々を見ていると、この光景どこかで見たような・・・。どこだろ。うーん・・・。「あっ、動物園!」無防備に横になる姿は、まるで暑さに全ての本能を吸い取られた真夏の動物たちのよう。闘い疲れた人々が無防備に安らげる、車イス工房前の東屋。皆さんも機会があれば、是非お越しください。
すべての人々に捧ぐメコンの恵み
さて、身近な憩いの場は工房のすぐ隣にありましたが、市内にある人々の憩いの場をご紹介します。
市内を流れるメコン川沿いの芝生=メコン公園(通称)が、今、大人気です!お弁当を持ってピクニック、学生たちのグループ学習、恋人たちの密会の場。目的はそれぞれ違いますが、ここには人々を虜にしてしまう魅力があるようです。
何を隠そう私もメコン公園に魅せられた男。休日、芝生と戯れながら、大河メコンと向こう岸に臨むタイを眺めていると、「この大自然に比べたら自分の悩みなんて・・・ちっぽけなもんさ」と、恥ずかしい台詞も思わず口をつくほどの安らぎようです。
ラオスではメコン川を「母なる川、メコン」と呼ぶことがありますが、まさにメコン川は母親のように大きく人々を包み込み癒しているようです。
“ラオス憩いの場”いかかでしたか?まだまだお伝えしたい場所はたくさんありますが、この安らぎは限られた誌面では語りきれません。年末は1年間の疲れを癒しに、ラオス憩いの場を訪れてみてはいかがでしょうか。