駐在員・事務局員日記

復興に向けて進むスーダン南部の活動報告会を開催しました

2010年11月05日  南スーダン
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執筆者

東京事務局 広報・支援者担当
三戸 淳子

記事掲載時のプロフィールです

難民を助ける会は、2005年1月に20年以上にわたる南北の内戦が終結したスーダンの南部、東エクアトリア州にて2006年より復興支援を行っています。
このたび一時帰国した駐在員の伊藤洋子が、10月13日、これまでの支援活動やスーダン南部の慣習などについて報告しました。学生、会社員、主婦など約30名の方々がご参加くださいました。

安全な水が手に入ることの幸せ

事業について報告する伊藤洋子

スーダン南部での支援活動や文化について話す駐在員の伊藤洋子

「スーダン南部の東エクアトリア州の人が1人1日に使う水の量はどれぐらいだと思いますか?」 こんな問いかけから今回の報告会は始まりました。

答えは「2.5リットル」。
日本人の平均307リットルに比べて、はるかに少ない量です。20年以上続いた内戦の爪痕が今も色濃く残るスーダン南部では、破壊された水道や道路などのインフラの整備がまだまだ進んでいないと伊藤が現状を報告しました。
難民を助ける会では、人間が生きていく上で欠かすことのできない安全な水を、スーダン南部の人々に届けるため、東エクアトリア州に、これまで合わせて70基以上の井戸や3棟の給水塔を建設してきました。

水汲みは女性や子どもの仕事

意外と思われるかもしれませんが、スーダンでは、力仕事である水汲みは女性や子どもの日課とされています。映像や写真を通して、新しい井戸や給水塔から、女性や子どもたちが笑顔で水汲みに励んでいる姿が紹介されました。何キロもの重さの水が入った容器を一生懸命運んでいる姿を目のあたりにして、人間のたくましさや水の有り難さを改めて感じました。

万能野菜がスーダンにも

伊藤洋子の話に熱心に聞き入る参加者の皆さま

約30名の方々にお集まりいただきました

現地の人々の日常についてもご紹介しました。
カポエタのある野菜市場では、モロヘイヤばかりがずらーっと一列になって売られていました。スーダンでも「モロヘイヤ」と発音される栄養価の高いこの野菜は、スープなどに入れて食べられているそうです。
日本では健康食材として人気のモロヘイヤは、遠いスーダンの地でも同じように人々に愛されているようです。

質疑応答では、参加者の方々からさまざまな質問をいただきました。内容は活動の詳細からスーダンの生活風土に関してなど多岐にわたり、皆さまのご質問やご意見により盛況にて終了いたしました。参加者の皆さまからは、「想像以上にスーダンは色々なものが整備されていないと感じた」「支援活動が詳しく分かった」などの多くの感想をいただきました。

会場に設けた募金箱には、参加者の皆さまから3,600円のご寄付が寄せられました。支援活動のために大切に使わせていただきます。

2011年1月に南部独立を問う住民投票が予定されており、今後の動向がますます注目されるスーダン。真の平和が訪れることを祈りながら、難民を助ける会は引き続き支援活動を行ってまいります。

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