南スーダン事務所
梅田 直希
南スーダン:トポサ女性のファッションチェック!
2011年8月より南スーダン駐在。短大卒業後、イギリスの大学に留学し開発学とアフリカ学を専攻。民間企業勤務、ウガンダでのボランティア活動を経て難民を助ける会へ。
記事掲載時のプロフィールです
難民を助ける会が活動する南スーダン共和国の東エクアトリア州には、トポサと呼ばれる人々が多く暮らしています。一見昔ながらの生活に見えるトポサの日常にも、少しずつ変化があるようです。駐在員の梅田直希が、女性の服装に現れるその変化をご紹介します。
初めてトポサの集落を訪れたときは、女性は上半身裸、男性は布一枚が当たり前、という姿にめんくらってしまいました。でもその光景に慣れてくると、トポサの人々が様々なオシャレをしていることが見えてきました。
トポサの女性は少女からおばあさんまで、多くが「エタヌラ」と呼ばれるチェック柄の布のスカートをはいています。上半身は裸の人もいますし、布を羽織る人もいます。どの人も、ビーズや金属など多彩な材料でできた手作りの素敵なアクセサリーで全身を飾っています。
このスカート姿は昔ながらのものかと思っていたのですが、実際にはここ十数年の間に町から徐々に広がったものなのだそうです。エタヌラが広まる前は、山羊の革が衣類としてよく使われていました。女性用の山羊革はスカートやワンピースのような形に加工され、色鮮やかなビーズが縫い込まれています。
エタヌラが普及した大きな理由は、見た目とともに、その実用性にあるそうです。山羊革は、重い、高価、油やにおいが体につく、こまめな手入れが必要など、いろいろ大変です。それに比べてエタヌラは、軽くて動きやすい、安い、洗濯できる、手入れしやすいなどのメリットがあります。
山羊革の衣装を着た人はほとんど見かけなくなってしまいましたが、今でも冠婚葬祭やイベントの際にはよく着られています。中でも印象的な用途は、喪に服す未亡人が着る山羊革です。夫が亡くなると、その妻は髪を剃り、全てのアクセサリーを外し、装飾のない山羊革だけを下半身にまとって半年から3年間ほど(人により期間は違います)過ごすのです。
最近ではキャラクターのプリントされたTシャツを着た人もよく見かけます。これからの流行はどうなるのか、楽しみにチェックしていきたいと思います。