東京事務局 広報・支援者担当
伊藤 美洋
アメリカの大学生2名がインターンに来てくれました
記事掲載時のプロフィールです
東日本大震災以降、海外からの観光客が激減する中、6月初旬から約2ヵ月間にわたり、アメリカから2人の大学生がインターンとして難民を助ける会に参加してくれました。活動を終えたナエル・ケルザビさん(20歳)とグレン・ボーガーダスさん(21歳)にお話を伺いました。
「日本のために何かしたくて」
Q.難民を助ける会で活動しようと思った理由を教えてください。
ナエル:「高校時代に半年間日本に留学して以来、また日本に戻りたいとずっと思っていましたが、今回の大震災が起きてから、どうしても日本に行ってボランティアをしたいと思いました。難民を助ける会はホームページを見て知りました。他のNGOに比べて高齢者や障害者への支援に力を入れていると知り、そのビジョンに共感したので選びました。」
グレン:「私は3年前に日本に来たことがあり、それ以来日本語を勉強していました。私も震災で被災した人たちのために何か手伝いたいと思い、大学を通じてインターン受け入れ先を探したところ、その中に難民を助ける会がありました。難民を助ける会の元スタッフだった同級生の勧めもあり、ここで活動することにしました。」
「海外で聞くのと、日本で実際に見るのとでは大違いでした」
Q.6月29日から1週間、宮城県で支援活動に参加されましたが、いかがでしたか?
ナエル:「海外のテレビを通じて日本のことを知るのと、実際に被災地をこの目で見るのとでは大違いでした。被災の深刻さや人々の苦労は、海外のニュースでは伝わらないのだと思いました。」
グレン:「私も南三陸町や石巻市に行きましたが、現地の被災状況に大きなショックを受けました。海外ではもうあまり日本の地震について報道されなくなっていますが、まだまだ支援が必要だと実感しました。」
Q.被災地で特に印象的だったことは?
ナエル:「被災地の人々は、本当に大変な状況の中、掃除でもなんでも、自分にできることをしています。また、お互いに協力し合って暮らしています。その姿に心が動かされました。だから自分もできることをやろうと思いました。」
グレン:「南三陸町の中学校での炊き出しに参加したときのことです。学校の周囲は建物がすべて流され、瓦礫ばかりが広がっていました。人の姿がほとんど見えなかったので、こんなところで炊き出しをして大丈夫かと心配しましたが、いざ始まるとたくさん人が集まってきてくれて、とても喜んでもらえたのでほっとしました。その後、子どもたちと一緒にバスケットボールをしたのも良い思い出です。」
「アメリカに戻ったら、仲間に日本のことを伝えます」
Q.これからの予定は?
ナエル:「高校時代にお世話になったホストファミリーに会ってからアメリカに戻ります。日本の人たちはみんな親切で、難民を助ける会のスタッフの皆さんも私にいろいろ教えてくれました。とても良い経験をさせてもらいました。被災地の皆さんにもお礼を言いたいです。ありがとうございました。大変だと思いますが、これからもずっと努力していってほしいと思っています。」
グレン:「ぼくも、九州を旅行してからアメリカに帰ります。大学に戻ったら、日本での経験を授業で発表し、多くの仲間に日本の現状を知ってもらいたいと思います。」
2人とも、2ヵ月足らずの滞在中にめきめきと日本語が上達し、東京事務所でも被災地でも大活躍してくれました。ナエルさんは英語のほかフランス語とアラビア語も堪能な、穏やかな青年。グレンさんは友達と富士山に登頂し朝日を拝むなどアウトドア派です。日本が大変なときに、海外から来てくれた2人の気持ちがとても嬉しかったです。アメリカに戻っても、ますます活躍してください。