ポンサリー事務所
田中 晴子
突撃! ラオスの晩ごはん
2015年10月よりAAR東京事務局勤務後、2016年1月からラオス、ポンサリー駐在員。大学で国際関係学を学んだ後、民間企業での海外営業職を経て、青年海外協力隊員として、アフリカ・マラウィの難民キャンプや保健所で活動。趣味は美食探訪。茨城県出身
記事掲載時のプロフィールです
ラオス北部のポンサリーは標高1300メートルに位置し、周囲を山に囲まれた自然豊かなところです。ポンサリーは小さな街ですが、ご近所さんが「もうご飯食べたの?」と気さくに声をかけてくれるなど、人々の温かさが溢れています。今回はポンサリーの人々の食生活をご紹介します。
自然と共存した暮らし
先日、AARポンサリー事務所の斜め向かいにある、ピパッツェリーさん宅の夕飯に招待されました。ラオスの少数民族プノーイのご一家です。ラオスでは普段、カオニャオというもち米を食べています。この日の献立は、そのカオニャオと野菜料理とラープという肉料理。ラープは私の一番好きなおかずです。
ラオスには「タマサート」という言葉があります。「自然にまかせる」「自然とともにあろうとする生きかた」という意味があり、「うちの料理は無農薬のタマサートな材料で作られてるよ」「ポンサリーは都会とは違ったタマサートな暮らしをしているよ」といった使い方をします。ラオスの人は産地や農薬使用の有無、食材にこだわりがあり、この日の食材も、自宅の裏にある無農薬のタマサートな菜園から収穫したものです。
野菜を収穫し、みんなで一緒に夕飯を作っていきます。お米は七輪のような道具で炊きます。電気も通っていますが、「炭火で炊いた方がタマサートでおいしい」とのことです。次は野菜料理。畑で収穫した野菜とかぼちゃの花の胡麻和えです。ラオス北部では花を使った料理がよく作られ、この時期(2月~6月)が旬のようで、市場でもさまざまな種類の花が売られています。
最後に私の好きなラープ。肉は豚や鳥などいろいろな肉を使いますが、この日は水牛のラープでした。ラオスでは水牛をよく食べます。水牛をハーブ、唐辛子、ナンプラー、ライム、煎り米粉で和えていきます。ラープはラオスの定番料理で、家庭によって味が異なります。
ようやく夕飯が完成し、カオニャオ、かぼちゃの花の胡麻和え、ラープ、菜園で収穫したレタスや菜の花、コリアンダーなどの新鮮な野菜が円卓に並びました。野菜はラープと一緒に食べます。ラープは調味料をあまり使わなかったのですが、自家製ハーブの香りが効いていて絶品でした。ピパッツェリーさん一家はとても温かく、一緒に食卓を囲んでいると、普段食べているラオス料理もなおさらおいしく感じます。
ポンサリーは朝と夕方、雲海に包まれることがあり、雲の上に浮かぶ街の景色はとても幻想的です。人々も優しく、客人を優しく迎え入れてくれます。皆さんもラオスを訪れる機会がありましたら、ぜひポンサリーまで足を運ばれてみてはいかがでしょうか。