駐在員・事務局員日記

各駐在地の職員が東京に集合

2018年10月26日  事務局員日記日本
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執筆者

東京事務局
園城 蕗子

大学在学中にアジアやアフリカで開発支援のボランティアを経験するほか、海外十数ヵ国を訪れる。民間企業に勤務の傍ら、通信制の大学院で平和構築を学ぶ。2017年12月にAARへ。東京都出身

記事掲載時のプロフィールです

AAR Japan[難民を助ける会]では、毎年1回、海外駐在員と国内職員が集まり、事業や組織について話し合う合同会議を設けています。今年も9月14日~16日に実施しました。会議の概要や駐在員について、東京事務局の園城蕗子が報告します。

より質の高い支援をすべく、会議では、個人や組織が抱えるさまざまな課題やその改善について話し合ったり、新たに取り組んだ事業の報告や意見交換、人道支援の国際基準の更新内容を共有するなど多様なセッションを行います。国内外で緊急・人道支援の一線に立つ団体として、職員全員が情報のアップデートやスキルの向上ができるよう、毎年欠かさず実施しています。

休憩時間を利用して

会議の3日間は、朝から夕方までセッションがビッシリ。セッションの合間は、久々に顔を合わせた職員同士が話に花を咲かせたり、時間を惜しむように情報共有に努める姿が見られました。タイミングを見計らい、海外駐在員4人から話を聞きました。

東京事務所のデスクに席をつき、笑顔で質問に答える中川

いつも穏やかで笑顔の絶えない中川善雄。入職以来、障がい者支援に従事し、現在の任地は3ヵ所目。

中川「海外駐在員向けのセッションで、安全管理や法令順守について改めて学ぶことができました。現地事務所の職員にも共有して、日々の安全管理方法を見直したり、モラルについて考えていきます。現場では、日々受益者とのやり取りにかける時間が大半を占めるため、事務所の運営体制について改めて振り返る、貴重な機会になりました」

中川 善雄/ミャンマー・ヤンゴン事務所駐在員。大学卒業後、国内の人道支援組織に5年勤務後、2011年にAARへ。タジキスタンとミャンマー・パアン事務所の駐在を経て、2015年より現職。神奈川県出身

東京事務所のデスクに席をつき、質問に真摯に答える安藤

看護師の経験を活かして、ラオスの子どもや妊産婦支援に取り組む安藤典子

安藤「ほかの事業地の人と話す機会はなかなかないので、普段事業で困っていることについて多角的に話を聞けて助かりました。たとえば、今後の事業形成に必要な知識や問題対処方法などは、これからの活動に活かせることが多く、改めて駐在員同士の横の繋がりはとても大切だと思いました」

安藤 典子/ラオス・ポンサリー事務所駐在員。看護師の経験を活かし、2012年1月にAAR入職後、ラオス・シェンクワンでは不発弾被害者支援を担当し、2015年10月からポンサリーへ。岐阜県出身

ほがらかな笑顔をみせる金森

「合同会議で学んだことを現地スタッフにも共有して、難民支援事業をより一層洗練させていきたい」と語る金森大輔

金森「教育分野の難民支援の専門家にAARの活動を調査してもらい、国際的な指標でAARの活動がどのように評価されるか知りたい。事業の質をより向上させるために、ケニアでも事業評価を実施したい」。こう活発に発言したのは、ケニア事務所で南スーダン難民支援に携わる金森大輔。昨年AARが実施した、内部職員による「事業評価」の報告のセッションで質疑を重ねていました。

金森 大輔/ケニア事務所駐在員。大学卒業後、民間企業に勤務しながら国内の被災地支援にも従事。イギリスの大学院留学などを経て2016年11月よりAAR へ。ザンビア・ルサカ事務所駐在を経て2018年4月より現職。山口県出身

つねに明るく前向きな山根

「障がいのある子もない子も教育を享受できるインクルーシブ教育において、タジキスタンでAARの活動が見本となるようにしたい」と話す山根利江

山根「たとえば同じ脳性麻痺の子どもでも、『コミュニケーションに問題はなく、車いすを供与すれば通学できる』子、『保護者が通学を諦めていて、保護者への丁寧な説明を経て通学できる』子など、それぞれ状況は違います。まずは1人ひとり、どんな支援を必要としているのか理解することが大切」。障がい者支援のセッションでこう話したのは、タジキスタンで障がい者の教育支援に携わる山根利江。

山根 利江/タジキスタン事務所駐在員。大学卒業後、英国の大学院で保健システム管理と政策を学んだ後、日本で看護師として勤務し、2013年5月にAARへ。2016年11月より現職。静岡県出身

また、外部講師を招いたセッションでは、ハラスメント防止研修や持続可能な開発目標「SDGs」の理解を深めるカードゲーム「2030SDGs」、教育分野の障がい者支援の向上に向けたセッションなども実施。組織内の人間だけでは見落としがちな点を見つめ直したり、専門的な見解を交えて意見交換をしたりと、職員1人ひとりが、組織として今後どのように活動していくのか、改めて深く考える機会となりました。AARのミッション「困ったときはお互いさま」を心に、スタッフ同士も助け合いながら、1人でも多くの方々に必要な支援を届けられるよう、今後も職員一同尽力してまいります。

10近くのグループに分かれて話し合いました

各現場で駐在員が感じている課題やニーズを挙げ、グループ内で解決策や新規事業として取り組めないか議論しました(2018年9月16日)

パワーポイントを利用しながら発表するプログラム・マネージャーの野際紗綾子

障がい者支援事業のセッション。近年、関連する国際会議での発議や国内外のネットワーク構築が進んでいる背景を踏まえ、今後の方針などを共有(2018年9月16日)

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