12月3日国際障害者の日にサイクロン被災地でスポーツ大会を開催!
難民を助ける会では、2008年5月2日にミャンマー(ビルマ)を襲った大型サイクロンによる被災者への緊急支援を行っています。サイクロン発生から4ヶ月が経過した2008年9月からは、被災地での保健医療・栄養改善・障害者支援の活動を行っています。
今回は、被災地で開催されたスポーツ大会の様子を報告します。
サイクロン被災地でスポーツ大会を開催!
2008年5月2日~3日にかけてサイクロンがミャンマーを襲ってから早7ヵ月。難民を助ける会では、サイクロン発生直後から、障害を持つ被災者への支援活動を積極的に行ってきました。
そして、12月3日は、国際障害者の日。「障害があってもなくても皆で一緒に楽しもう。そして、共に助け合い、サイクロン前よりもより良い未来を築いていこう。」という思いから、最大の被災地ボーガレー地区デニエピュ村で障害者への理解を深めることを目的としたスポーツ大会を開催しました。競技は、徒競走、砲丸投げ、走り幅跳び、腕相撲に糸通し徒競走の5種目で、上位3位までは景品が贈られます。
参加者の中には、ミャンマー身体障害者連盟のアウン・ジーさんがいました。1989年に両足を失ってから義足での生活が続いていますが、これまでパラリンピック等、数々の国際大会でメダルを獲得してきました。今回のスポーツ大会の砲丸投げや腕相撲では、アウン・ジーさんの強さに参加者は皆とても驚いていました。
「人生を簡単にあきらめないで」アウン・ジーさんからの心のこもったエール
スポーツ大会の翌日には、晴天のもと、国際障害者の日のセレモニーが開催されました。セレモニーの中で、アウン・ジー氏が自身の成功体験から被災者を激励しました。
「私はこれまでボーガレー地区の村々をまわってきましたが、ここデニエピュ村はその中でも最も被害の大きい場所の一つです。私が両足を失ったときは自殺しようとしましたが、その時、家族と友達が助けてくれたのでなんとか一命を取り留めました。それから毎日一生懸命スポーツを練習し、日本を含む12ヵ国のスポーツ大会に出場し、砲丸投げや円盤投げの競技でメダルを獲得しました。 デニエピュ村の皆さまもサイクロンで多くの大切なものを失ったと思います。でも、人生を簡単にあきらめないでください。私が立ち直れたのですし、難民を助ける会も応援してくださっているのですから、皆さんもきっとできるはずです。どうか頑張ってください。」 |
アウン・ジーさんのスピーチが終わると、村の方々から大きな拍手と声援がおくられました。アウン・ジーさんは、サイクロン被災地での障害者の啓発活動を通じて、今では、障害者のみならず、村の方々からも尊敬される存在となっています。
今回のスポーツ大会でのアウン・ジーさんの活躍を通じて、「障害があってもなくても、皆で一緒に楽しむことが出来る」ということを感じ取ってくれたことと思います。
【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
ミャンマー事務所 野際 紗綾子
2005年4月より東京事務所スタッフ。アジア事業を担当。ミャンマーサイクロン被害の発生直後から、被災者支援活動を担当している。(東京都出身)