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フィリピン台風緊急支援・続報 「どこも水浸し」...障害者施設の窮状

2009年10月05日  フィリピン緊急支援
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10月5日、東京事務局の大西と広谷は、被災した障害者の方々の状況を調査するため、マニラ首都圏ケソン市にあるNCDA(National Council on Disability Affairs=全国障害者福祉国民評議会)の紹介を得て、被災の大きかった障害者支援施設、タハナン・ワラン・ハグダナン(Tahanang Walang Hagdanan, Inc。以下、TWHIと記載)を訪問しました。

TWHIは、ケソン市内のNCDAから車で1時間ほどのリサール州カインタにあり、障害者のリハビリテーションや車イス・義肢装具の製造、学校の机や玩具などの製作などを通した自立促進や、CBR(地域社会に根ざしたリハビリテーション)などに包括的に取り組んでいます。

この施設は台風16号により1メートルの高さまで浸水。施設内の寮および家族部屋に住んでいた障害者の方々は2階に逃げて助かったそうですが、寮や家族部屋も水びたしとなり、TWHI内で生活する障害者120名ほどは、現在も生乾きのマットレスまたは段ボールの上に寝ています。工房の資材や設備等は水をかぶり、一部が使えなくなってしまいました。

この地域は被害が甚大であるにも関わらず、支援が十分には届いていていません。近所の教会で数日分の物資配布があった際も、車イスを使っている人々は列に並ぶことも難しかったため、特別にTWHIまで物資を運び込んでもらったそうです。

車イス工房では資材が水浸しに

障害者支援施設TWHの車イス工房内。洪水により資材もこの通り、錆びてしまった。今回の洪水で多くの作業が中断。復旧の目処は立っていない。生活は苦しくなるばかりだ。

義肢装具の製造工房では機械が破損し作業がストップしている

この施設では、約350名の職員のうち7割が自身も障害を持つ。義肢装具の製造工房では、日本のODAにより寄贈された機械の多くも洪水により破損してしまった。

ゴミの山があちこちに

施設内のあちこちに、洪水で流された品々が散乱する

浸水により腐った米

貴重な食糧であるお米も、水に浸かり腐ってしまった

マットレスなしのベッド

寮にも浸水し、マットレスも泥水だらけに。寝る場所は、スプリングの上に直接ダンボールを敷いたベッド。

濡れたマットレスの上で寝るしかない障害者も

障害のためにマットレスなしでは寝られない人は、このように濡れたマットに寝るしか選択肢はない

TWHのスタッフ、JICA専門家・鷺谷大輔氏とともに

TWHのスタッフとともに(後列左から大西、広谷)。後列右端は、元難民を助ける会スタッフで、現在はJICA専門家としてNCDAに赴任中の鷺谷大輔氏。今回、多大なるご協力をいただいた。

自身も障害者で施設で働く職員とその家族

困難な状況ながらも明るい表情が印象的でした。

(2009年10月5日、大西撮影)

特に支援の手が届きにくい障害者の方々のために、早急な支援が必要とされています。

フィリピン台風被災者の緊急支援のために、どうぞ募金をお願いいたします。

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