フィリピン台風緊急支援速報・第3弾 未だ水に浸かった地域...続々と集まる被災者たち
以下は、東京事務局・広谷樹里からの最新レポートです。
(2009年10月6日、広谷撮影)
支援の手からもれた障害者施設
10月6日(火)、被災した障害者施設タハナン・ワラン・ハグダナン(Tahanang Walang Hagdanan, Inc 以下、TWHIと記載)を再度訪れました。日常的な生活必需品のほか、消毒薬、障害を持つ患者が毎日使う塗り薬や抗生物質も不足しています。TWHIには系列施設が25程ありますが、うちケソン市内の障害児施設と視覚障害者施設も大きな被害を受けているとのこと。
このほか、マニラ首都圏の南西にあるカビーテ州(マニラ中心街から2~3時間)にあるサン・ホセホーム(高齢の障害者のための施設)では、天井の高さまで浸水。屋根も損壊したものの、政府からの支援は全く届いていません。現在は、個人からの古着や古い毛布の寄付のみでしのいでおり、食料、医薬品、毛布、マットレスなど全てが不足しています。
未だに水が引かず、日常生活は困難
マニラ首都圏のパシッグ市内、サン・ミゲル地区では、幹線道路でもまだ20センチほど冠水している部分があります。細い道路の地域は未だに胸の高さまで浸水している地域もありますが、交通規制のため入れませんでした。
東京ドームのような施設に、被災者が続々と…
10月5日(月)から避難所となっていた学校で授業が再開したため、多くの被災者が学校から移動せざるを得なくなっています。
パシッグ市内の屋内総合体育施設であるフィルスポーツ・アリーナに、各地の被災者が続々と移ってきていました。6日(火)の15時時点で470家族・2181人が同施設に避難。施設の周りにも他の避難所からの被災者が次々と到着していました。これ以上人が増えると、平らなスペースに寝ることはできないでしょう。施設内部は非常に暑く、被災者の方々にとっては心身ともに辛い避難所生活です。
避難所は市政府のスタッフが運営しており、企業からも大勢のボランティアが来て活動していました。
(2009年10月6日、広谷撮影)
「まだ我が家は腰の高さまで水に浸かっています…」レアン・ベンゾンさん(24歳)
避難所で、被災者のレアン・ベンゾンさんにお話を伺いました。
「3歳(男児)、4歳(男児)、7ヵ月(女児)の3人の子どもの母親です。パシッグ市カラワン地域の公立学校の避難所にいましたが、5日(月)に学校が再開となったため、4日(日)にここへ移動してきました。
我が家はまだ腰の高さまで水に浸かっています。家の近くにナピンダン川があるため、なかなか水が引きません。
この避難所は支援物資が多く、水や食べ物、薬も配布され、助かっています。ただ、お金がないので家に戻れても、今後の生活の目処が立ちません。」
難民を助ける会では、引き続き被災者への支援を続けます。皆さまのご理解とご協力をお願いします。