ハイチ大地震・速報第5弾 「崩壊した学校の下に、まだ児童10名が...」
認定NPO法人 難民を助ける会(東京都品川区=理事長 長 有紀枝<おさ・ゆきえ>)の緊急支援チーム(リーダー:大西清人 難民を助ける会事務局次長)が、マグニチュード7.0の大地震に襲われたハイチ共和国の大地震被災者支援のため、1月25日(月)に現地に向け出発。
1月27日(現地時間)に隣国ドミニカ共和国に到着し、約300世帯分の支援物資を調達。同時に29日にはハイチの首都ポルトープランス入りし、配布に向けた調査を行いました。2月1日には支援物資を持ってハイチの首都ポルトープランスに入り、4日より配布を行っています。
以下は、緊急支援チームの川畑嘉文からの報告です。
小学校が全壊。「児童10名が行方不明なのです」
首都ポルトープランスのション地区で、全壊した公立小学校の前でセルジ先生(50歳・男性)から話を伺いました。
「地震が起きたときは、ちょうど授業を行っていました。逃げ遅れた子どもたちもたくさんいた。今も児童10名が行方不明になっています。瓦礫の下に埋まっているのではないでしょうか」、と力なく語っていました。
「私のおばも足の怪我を負い、隣国ドミニカ共和国の首都サントドミンゴまで運ばれ手術をしましたが、結局切断することになってしまいました。この地域も被害が大きく、住民は路上にテントを張って生活をしています。」
震災で逃げ遅れ、右腕を怪我
フローレンスさん(39歳・女性)は、「震災時、家にいて壁と天井が崩れてきましたが、逃げ遅れたために右腕を怪我してしまいました。子どもたちが無事でいてくれて、本当に良かった。」
震災時の様子を辛そうに話してくれました。
丘陵地帯に建てた家がすべて崩壊
丘陵地帯であるポルトープランスは、崖に家を建てている場所が多いため、地震によりほぼ全ての家が倒壊。被害が広がってしまいました。行方不明者数はいまだ把握できていません。
避難キャンプの環境は悪化の一途。伝染病蔓延の危惧も
ロリーベティーピエールさん(14歳・女性)とその妹(4ヵ月)です。
「震災時、私は買い物に出ていて、倒れてきた柱で顔を怪我しました。額にあるのはその時の傷です。」
見ると、額に傷跡がなまなましく残っていました。
「私と4ヵ月の妹は怪我ですんだのですが、家にいた父は、崩れてきたレンガの下敷きになり、亡くなりました。」
「今、私は避難キャンプに暮らしていますが、学校は全壊してしまったので、勉強もできません。毎日食べ物を探し歩く日々です。」
今彼女のしたいことは?
「この国から出て行きたい。行き先はどこでもいいです。」
その言葉が忘れられません。
避難キャンプは人で溢れ、ゴミも回収されておらず、環境が悪化する一方です。今後、雨が降り始めるため、ブルーシートなどの防雨用具も必要とされます。また、現在でも蚊が多く、雨が降り始めれば伝染病を運ぶ蚊が発生することが危惧されます。今後、食料だけでなく、環境面での対策も急務です。