ハイチ大地震・速報第8弾 支援の特に行き届きにくい女性100人に食料を配布しました
認定NPO法人 難民を助ける会(東京都品川区=理事長 長 有紀枝<おさ・ゆきえ>)の緊急支援チーム(リーダー:大西清人 難民を助ける会事務局次長)が、マグニチュード7.0の大地震に襲われたハイチ共和国の大地震被災者支援のため、1月25日(月)に現地に向け出発。1月27日(現地時間)に隣国ドミニカ共和国に到着し、約300世帯分の支援物資を調達。同時に 29日にはハイチの首都ポルトープランス入りし、配布に向けた調査を実施、2月1日には支援物資を持って現地入りしました。
2月8日、ハイチの首都ポルトープランスのシテ・ソレイユ地区で100人の女性に食料を配布しました。以下は、川畑嘉文からの報告です。
女性を通じて支援物資を配布
シテ・ソレイユはポルトープランスの中でも最も貧困の厳しい層が住むスラム街のひとつで、治安も悪い地域です。難民を助ける会は現地の団体と協力し、家をなくしたり家族にけが人がいるなど、特に苦しい状況にある家庭の女性にクーポンを渡し、食料と交換しました。災害時には女性や子ども、高齢者などは特に弱い立場におかれ、支援物資も手に渡りにくい傾向があります。そこで女性に手渡すことによって、物資が子どもなど家族全員の手に渡るよう配慮しました。
「赤ん坊にあたえるミルクも、住むところも、何もかもありません」
物資配布の会場に、生後3か月の息子ピエール・ベウリン君を抱くジョセフさん(37歳)の姿がありました。ジョセフさん一家は夫婦と4人の子どもと暮していましたが、地震で家を失い、いま路上生活を強いられています。
ジョセフさんは、「4人の子どもをかかえて、ピエールに飲ませるミルクも、食べ物も着る物も薬も、住むところさえ、何もかもがありません。夫は地震のあと放心状態で何も手がつかず、子どもたちは学校が倒壊して通えません。もう何も考えられない。絶望的な気持ちです」と苦渋に満ちた表情を浮かべました。
【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
川畑 嘉文
難民を助ける会 プログラム・コーディネーター。カメラマンとしてアフガニスタンや2009年のスマトラ島沖地震の被災地など、数々の紛争・災害の現場で活動(千葉県出身)