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パキスタン洪水支援 速報第4弾 被災地ノシェラ・カランで物資を配付しました

2010年08月16日  パキスタン緊急支援
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被災者110世帯に緊急支援物資を配りました

被災者に支援物資を渡す川邉(右)

パキスタン洪水の被災者に緊急支援物資を手渡す川邉安行(8月15日杉澤芳隆撮影)

パキスタン北西部で起った洪水被災者への緊急支援のため、東京事務局の大西清人、青木真理子、杉澤芳隆、川邉安行が現地入り。12日には、現地の協力団体NCHDとともに、被害の大きいノシェラのピール・サバック村で、支援をもっとも必要とする200世帯へ、15日には、現地の協力団体GPPとともに、同じく被害の大きいノシェラ・カランで110世帯に支援物資を配付しました。

以下は、現地からの報告です。

清潔な飲料水が手に入らず、感染症の拡大も

支援物資を待つノシェラ・カランの人々

緊急支援物資を受け取るために集まってきた村人たちに挨拶するGPP代表(左)(8月15日杉澤芳隆撮影)

曇り空の中、8月15日の早朝8時にノシェラ・カラン村へ向けて出発しました。途中、突発的な豪雨に見舞われました。スピードを落とし走行を続けていると、車窓の景色は、8月12日に同じ道路を通った際とは明らかに異なり、水位が上がり流れも急な川や、完全に浸水した畑が目に入ってきました。約2時間走った後、高速を降り、ノシェラ・カラン村へ。その道の左右には、多くの避難民用のキャンプや臨時の診療所などが設けられ、氾濫したカブール川付近から内陸まで避難してきた人々の様子が伺えました。

洪水の影響で水没した道を車はなんとか進み、村の中心部へ。10時過ぎ、緊急支援物資を配付する場所に到着。私たちが着くと、既に会場には配付を待つ人々 が整然と待っていました。男性に加え、小さな子どもを連れた母親たちもいました。支援物資は前回と同じ米や砂糖、豆、カレー粉、食用油、すぐ食べること のできるデーツ(なつめやし)、干しぶどうなどの食糧品や、ろうそく、石けんなどの生活必需品に加え、飲料水としてミネラルウォーターも配付しました。こ のミネラルウォーターは物資を調達した商店の主人からのご寄付です。イスラム教の祈りを皆で捧げた後、約110世帯の人々に配付開始。今回は大きな混乱もなく、約1時間で配付が終了しました。

「将来の見通しが立ちません」8人家族で苦しい避難生活

洪水の被災者に話を聞く難民を助ける会の青木(右から2番目)

被災したルビーナさん親子にインタビューする青木(右から2番目)(8月15日撮影)

会場には男性が多い中、片隅に配付の順番を待つ親子がいました。母親はルビーナさん(推定33歳)、息子はファハドちゃん(4歳)。子ども6人と両親の8人家族だそうです。
ルビーナさん一家は、洪水が発生しカブール川が氾濫したため村のはずれの高い丘へ避難したそうです。
数日後に家に戻ってみると、家は倒壊。家具などはすべて流され、何も残っていなかったそうです。現在は村の学校に設置された避難キャンプで生活をしています。しかし、1つの教室に7家族が生活を共にしており、飲み水はなく、食事も米だけという厳しい避難生活を強いられています。
「難民を助ける会が物資を届けてくれるまで、洪水被害発生から一度も、どこからも支援はありませんでした。また、これまで主人の日雇い労働のお金でなんとか生活していましたが、このような状況では仕事もなく、これからの生活を考えると不安です」と話してくれました。

今回、配付を受けた人の中には皮膚病を患っている人も見かけました。きれいな飲料水や生活用水が手に入れにくい生活環境の下、感染症の拡大が懸念されます。支援物資配付に加え、医療的な支援の必要性も痛感しました。

難民を助ける会では、パキスタン洪水被災者への緊急支援を続けます。引き続き、皆さまのご支援をお願いいたします。

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洪水により壊れた家々が並ぶノシェラカナンの町の様子

水につかったノシェラカランの町(8月14日杉澤芳隆撮影)

貴重な生活物資がごみの山に

洪水により流れた生活用品の山(8月14日杉澤芳隆撮影)

被災者に配付する支援物資をパッキングする青木真理子

緊急支援物資の中身は飲料水やすぐに食べられる食料など(右は青木真理子)(8月14日杉澤芳隆撮影)

110世帯分の緊急支援物資の準備を行う

総出で110世帯分の緊急支援物資を詰める(8月14日杉澤芳隆撮影)

トラックに支援物資を詰め込む

緊急支援物資を積み込む(左は杉澤芳隆)(8月14日撮影)

緊急支援物資を詰め込み出発を待つメンバーたち

荷造りを終え、協力団体Global Peace Pioneersのメンバーと(前列左から2番目が青木、その右隣が杉澤)(8月14日撮影)

支援物資を被災者に手渡す青木(左)と杉澤(右)

食料や生活用品に加え、清潔な飲料水も不足しています。左は青木、右が杉澤(8月15日撮影)

川邉から支援物資を受け取り嬉しそうな子ども

被災者の子どもへ当面の飲料水を手渡す川邉(8月15日大西清人撮影)

 

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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 川邉 安行

2010年6月より東京事務局海外事業担当。大学卒業後、旅行会社に勤務し約50カ国に添乗。その後、難民を助ける会へ。(千葉県出身)

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