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パキスタン洪水支援 速報第5弾 「先が見えません」幼子を抱えた被災者たち

2010年08月19日  パキスタン緊急支援
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臨時診療所の患者たち

新生児を抱えて希望を持てない被災者

将来の見通しも立たず途方に暮れるナシリンさん(左)と、赤ちゃんを抱えるザヒダさん(右)(8月15日杉澤芳隆撮影)

パキスタン北西部で起った洪水被災者への緊急支援のため、東京事務局の大西清人、青木真理子、杉澤芳隆、川邉安行が現地入り。12日には、現地の協力団体NCHDとともに、被害の大きいノシェラのピール・サバック村で、支援をもっとも必要とする200世帯へ、15日には、現地の協力団体GPPとともに、同じく被害の大きいノシェラ・カランで110世帯に支援物資を配付しました。

以下は、現地からの報告です。

8月15日、ノシェラ・カラン村で物資配布を行った後、近くの臨時診療所を訪問しました。速報第一弾で大西が訪れたのと同じ場所です。廊下が人であふれるよう なことはありませんでしたが、診療所には診察を受ける人が続々と来ていました。また、小さい子どもをつれて診療所内に寝泊りしている人もたくさんいまし た。

「昨日出産したばかり。帰る家がありません」

診察を受ける被災者の女性と生まれたばかりの赤ちゃん

生まれたばかりの赤ちゃん(下)と命からがら逃げ延びたロヘダさん(8月15日杉澤芳隆撮影)

ナシリンさん(35才)の娘ザヒダさん(15才)(写真上)は、洪水後にはじめての子どもを産みました。自宅は洪水で崩壊したといいます。

ロヘダさん(写真左)は昨日女の子を出産したばかり。「飲料水、ミルク、服、どれも足りません。帰る家がなく不安です。」と訴えました。

「着の身着のまま避難しました」

一家で狭いテントに暮らさざるを得ません

グルナジラさん(中央)の暮らすテント。長男(左)と、その娘マリアムちゃん(8月15日杉澤芳隆撮影)

臨時診療所は大学の建物を利用しています。敷地内の空き地には一面テントが張られていました。テントで暮らすグルナジラさん(60才)の一家に話を聞きました。

洪水当日の様子を伺うと、「(近くを流れる)カブール川が氾濫し、水が突然押し寄せてきました。何も持てずに避難したから、この服も洪水の当日着ていたものなの」との答えでした。自宅は崩壊し、徒歩でこの場所まで来ました。このテントでの生活は15日目になるそうです。

グルナジラさんの長男は結婚してカメラマンとして働いていましたが、機材等は洪水で流され、全て失いました。長男の二人の子どもファトマちゃん(1才)とマリアムちゃん(6ヵ月)も一緒にテントで生活しています。

食料は米をもらっていますが、それ以外の食材がなく、量が足りないとのことでした。配布された水は汚れていて、飲める水が足りないそうです。

物資や医師が足りないと、子どもや高齢者のいる世帯に特に大きな影響が出ることを再認識しました。必要なものが被災者に届いていない状況に、焦りを感じます。

難民を助ける会では、パキスタン洪水被災者への緊急支援を続けます。引き続き、皆さまのご支援をお願いいたします。

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大学の授業再開の見通しは立たない

診療所の敷地にひろがるテントが大学の校庭を埋め尽くしている(8月15日杉澤芳隆撮影)

水に浸かってしまった家財道具

ようやく持ち出した布団や衣類も水浸しのまま(8月15日撮影)

診療所で聞き取りをするスタッフの青木

被災者が必要としているものを聞き取ります(左は青木真理子)(8月15日撮影)

笑顔を見せてくれた子どもたち

テントの子供たちが一刻も早くもとの生活に戻れることを願います(8月15日撮影)

 

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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 杉澤 芳隆

2010年5月より東京事務局勤務。大学卒業後、民間会社に勤務後、難民を助ける会へ。(茨城県出身)

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