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パキスタン洪水支援 速報第6弾 「皆の家が水に呑まれていくのが見えました」

2010年08月20日  パキスタン緊急支援
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被災したシャムシャド・ベグムさん(女性、48歳)が語る、洪水の様子

被災者に支援物資を手渡す

支援物資を被災者に渡す青木(左)と杉澤(右)。左から2人目はGPPのラザック氏(8月15日撮影)

パキスタン北西部で起った洪水被災者への緊急支援のため、東京事務局の大西清人、青木真理子、杉澤芳隆、川邉安行が現地入り。12日には、現地の協力団体NCHDとともに、被害の大きいノシェラのピール・サバック村で、支援をもっとも必要とする200世帯へ、15日には、現地の協力団体Global Peace Pioneers(以下GPP)とともに、同じく被害の大きいノシェラ・カランで110世帯に支援物資を配付しました。

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緊急支援物資を受け取った被災者の一人、シャムシャド・ベグムさん(女性、48歳)に、GPPが洪水発生時の様子をインタビューしました。(以下はGPPの許可を得て掲載しています)

「最初、まさか洪水なんてと信じなかったのです」

洪水により崩壊した家

洪水によりなぎ倒された壁(8月15日GPP撮影)

「私はノシェラの自宅に夫と義母と3人で暮らしていました。夫は両脚に障害があり、義母は体の具合がよくありません。夫は仕事がなく、私の裁縫と自宅の隣の土地が収入源でした。7月29日、私が家事をしていると、人々の叫び声と足音が聞こえてきました。外に出てみると、皆が大慌てで逃げていくようなのです。何が起こったのか訊くと、逃げろ、逃げろというばかりでした。モスクのスピーカーが「洪水です。逃げなさい」と言っているのがなんとか聞き取れました。でも私は、いつものデマだろうと思い、近所の人たちも避難しなかったので、家事に戻ったのです。人々が通り過ぎると、あたりはすっかり静かになりました。」

逃げ遅れ、足の悪い夫と病気の義母を連れ、必死で屋上へ

洪水により流された残骸があちこちに

ただ逃げるだけで必死でした。残された生活用品があちこちに(8月15日撮影)

「午後1時ごろ、水のとどろく音が聞こえてきました。洪水が私たちの村に来たのです。家の中にいたので恐ろしい音が聞こえただけだったのですが、その瞬間、私はコーランの聖句を唱え始めました。さっき逃げればよかったと思って涙が出ました。でも夫と病身の義母を見て、私は勇気を振り絞り、まず義母を屋上に連れて行きました。夫のところに戻ると、水が家の中にどんどん入ってきていました。水が壁に押し寄せて、家が震えるのを感じました。夫に手を貸して立たせて、階段まで行こうとしましたが、椅子につまづいて夫が倒れました。私は泣きながら助けを呼び、夫を抱き起こし、再び階段に向かいました。この2分間は私には一年間のようにも感じられました。屋上に夫とたどりつき、近所の人たちも来てくれました。屋上から皆の家が水に呑まれて崩れていくのが見えました。3時間後、軍のヘリコプターに救助されました。」

GPPと難民を助ける会からの食料が唯一の支援です

「病院に連れて行かれ、応急処置を受けた後、どうしたらいいかわかりませんでした。3日間、病院の近くにあった学校で過ごしたあと、別の避難所に移動しました。さらに10日後に村に戻って来ましたが、すべてがめちゃくちゃです。義母の具合は非常に悪く、夫は日に日に希望をなくしていくようです。本当につらいです。以前のような生活を取り戻すことは難しいでしょう。GPPと難民を助ける会がくれたこの食料が、いままでに受け取った唯一の支援です。ありがとうございます。困っているすべての人々にアッラーの救いのあらんことを。」

難民を助ける会では、パキスタン洪水被災者への緊急支援を続けます。引き続き、皆さまのご支援をお願いいたします。

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