ミャンマーサイクロン「ギリ」緊急速報・被災者へ支援物資を配付しました
食糧の困窮する1,200世帯(約6,000人)のもとへ
2010年10月22日~23日にかけてミャンマー(ビルマ)西部を襲ったサイクロン「ギリ」。難民を助ける会では、被災者への緊急支援を決定。ジャパン・プラットフォーム(JPF)の支援と日本全国から集まったご寄付により、1,200世帯(約6,000人)への緊急支援物資の配付活動を行っています。
11月25日には、被害の大きいヤカイン州チャウピュー地区のマラーチェン村において、200世帯分の物資配付を開始しました。現地では、サイクロンの暴風により学校や家の屋根が吹き飛ばされたり、海から押し寄せた高波の塩害が畑に広がり、米を中心とする食料が足りない状況が続いています。以下は、現地からの写真と報告です。
待ちに待った支援物資が到着
ヤンゴン市内で調達し袋詰めした支援物資が、数日間かけて山間部の細い道を通り抜け、被災地ヤカイン州のチャウピュー地区に到着したのは、11月25日午前6時。その到着を待ち構えていた難民を助ける会の現地職員は、早速マラーチェン村に急ぎ、村長や現地協力団体と協議の上、支援物資の配付を開始しました。
1世帯当たりの支援物資の中身は、米1袋(約50キログラム)、豆1.5キログラム、食用油1リットル、塩500グラム、鍋1個、平皿5枚、深皿2枚、コップ1個、石けん3個、ろうそく3セット、タオルケット1枚、タオル1枚、蚊帳(かや)2張です。
被災者の方々からは、「収穫した米が塩水で水浸しになってしまい、食料が足りず困窮していました。私たちが本当に必要とするものをくださって、嬉しいです」「あたたかいご支援に感謝しています」という声が聞かれました。
まだまだ食料が必要です
現在、被災地で緊急支援にあたっている難民を助ける会現地職員のソーシュエは、ここヤカイン州が出身のミャンマー(ビルマ)人です。今回の災害を知り、留学先の日本から駆けつけてくれました。以下は、ソーシュエからのメッセージです。
「チャウピュー地区のサイクロン被災者たちが、最も必要としているものが米であることに、こうして直接支援物資を手渡してみてよくわかりました。彼らは一世帯当たり50kgの米を前に、「信じられないくらいうれしい」とその喜びを語ってくれ、私も嬉しく思いました。しかし、緊急段階が終わるまでには、まだまだ食料が足りません。」
ミャンマー(ビルマ)の人々の主食は日本と同じ米。現在、ヤンゴン事務所では、被災者の方々へ一刻も早く物資を届けるべく、追加で800世帯(約4000名)分の食料や生活用品の調達と袋詰めを進めています。難民を助ける会では、これからも食料・生活用品の配付を被災地で続けますが、支援を必要としている方々すべてに届けるための資金が足りません。引き続き、皆さまのご支援を、どうかよろしくお願い申し上げます。
【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 野際 紗綾子
2005年4月より東京事務所スタッフ。アジア事業を担当。2008年ミャンマーサイクロン被害の発生直後から、被災者支援活動を担当している。2009年スマトラ沖大地震、2010パキスタン洪水の緊急支援も担当。(東京都出身)