スリランカ洪水緊急支援 「遠くから来てくれてありがとう」
食料や生活必需品を1600世帯に届けました
難民を助ける会では、洪水被害の大きいスリランカ東部で緊急支援活動を行っています。2月27日のバッティカロア県での支援物資配付をもって、食料や生活必需品の配付活動はいったん終了しました。今後は、被災地の障害者のために、松葉杖や車いすを渡していく予定です。
今回の緊急支援で配付した物資は、米、飲料水、調理油、豆、スパイス、茶、砂糖といった食料と、皿、コップ、調理用コンロ、お玉、石けん、女性用生理用品、タオル、バケツといった生活物資のセットです。被害の甚大な地域を中心に、以下のようなスケジュールで配付を進めました。
日付 | 配付地 | 対象世帯数 |
---|---|---|
2月1日 | バッティカロア県エラブール | 200 |
2月9日 | トリンコマレー県キニヤ | 100 |
2月10日 | バッティカロア県パッティパレイ | 200 |
2月11日 | バッティカロア県バハレイ | 200 |
2月20日 | アンパラ県デヒアッタカンディヤ | 250 |
2月21日 | アンパラ県ウハナ | 250 |
2月27日 | バッティカロア県エラブール | 404 |
1月22日と24日にそれぞれスリランカに到着した東京事務局の五十嵐豪と林早苗は、ともに3月6日に日本に帰国しました。以下は現地で支援活動に従事した林早苗の報告です。
今回の支援活動を振り返って
スリランカ洪水緊急支援は、私にとって、本格的に緊急支援に従事する初めての経験でした。南インドに住んだことがあったので生活習慣には馴染みがあったのですが、「配付時には暴動も起こり得る」と聞き、緊張してスリランカに入りました。しかし、実際の配付では、現地NGOや地域行政のサポートもあり、物資を受け取る方々もとても協力的で、和やかな雰囲気で行うことができました。
活動のなかで、被災者の方に直接お話を聞く機会がありました。多くの被災者が泥を固めた家に住み、そしてその家を家財道具ごと失っていました。2009年に終焉した内戦で脆弱な地域ほど、洪水による影響が大きいことは明らかでした。
しかし、多くの被災者がたくさんの笑顔を見せてくれました。現状を不満もなく受け入れていると感じさせる人さえいました。これはどうしてだろうと不思議だったのですが、身寄りのないお年寄りが近所の人たちの手を借りて学校や寺院に避難したこと、地域住民の方々が避難所に食べ物を届けたことなどのお話を聞き、経済的には貧しくても助け合って暮らしていける安心感が、被災者の笑顔につながっているとわかりました。
多くの方々から、「遠くから来てくれてありがとう」という言葉を頂きました。私たちの活動も、被災者の方々に笑顔と安心感を届けられたのではないかと思います。
【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 林 早苗
2010年6月より東京事務局で主にミャンマー(ビルマ)事業を担当。大学卒業後、民間企業に勤務。その後、英国の大学院で人類学を学び、国際機関勤務などを経て難民を助ける会へ。2010年12月よりミャンマーサイクロン「ギリ」の緊急支援に従事。2011年1月からのスリランカ洪水支援に従事。(栃木県出身)