東日本大震災(43):牡鹿半島で暮らす被災者のために
牡鹿半島に洗濯機と乾燥機を届けました
4月30日、宮城県牡鹿郡牡鹿半島の東浜小学校と小網倉避難所に洗濯機と乾燥機を届けました。難民を助ける会副理事長の加藤タキも同行しました。東浜小学校に設置された災害対策本部長の豊島さんは、水や電気の通り具合を考慮しながら、地域住民がみんなで使える場所に設置したいとお話しされていました。牡鹿半島では地震によって地域の道路に被害が出ており、水道や電気が来ていない地域もまだあります。
加藤タキが豊島さんに地域の復興状況を伺いました。「震災当初は物資もたくさん届いていたのですが、最近はその数も減っています」とのこと。最低限の食料は届いているものの、今日受け取ったのは水とレトルト食品のみだったそうで、「4日に1度くらいは野菜が食べたい」と自衛隊にもお願いしたが、なかなか届かないそうです。学校が再開しても、給食は牛乳とコッペパン1個のみ。それで6時間の授業を受けなければならない子どもたちに、週に1度か2度くらいはお弁当かおにぎりを食べさせてあげたいと語る豊島さん。未来を担う地域の子どもたちを大切に思う気持ちを強く感じました。(5月7日追記:東浜小学校には5月6日、野菜や果物、缶詰などをお届けしました。)
元気に育て、新しい命
同じく30日、加藤タキは牡鹿半島で実施している難民を助ける会の巡回診療にも同行しました。この日は小渕地区で妊娠4カ月の妊婦さんのもとを訪れました。このお母さんは震災後に体調を崩し、前回訪問したときは「大丈夫です」と言いながらも固い表情でした。今回は、私たち看護師2名に加えて、難民を助ける会医療チームの安田敏明医師の紹介で、産婦人科の貫戸朋子医師が同行し、携帯腹部エコー機を使って診察を行いました。 おなかの中で元気に動く赤ちゃんが画面に映し出されると、お母さん、ご家族、加藤タキから歓声が上がりました。お母さんは「元気な赤ちゃんを産みます。」と私たちに約束してくれました。皆が笑顔になれた、素晴らしい時間でした。
牡鹿半島の巡回診療活動では、一軒一軒のお宅を訪問して、皆さんの健康状態を確認し、お話や要望を伺っています。この日、ある方からこんな言葉をいただきました。「自分は震災後完全に孤立してしまった、と感じていた。でも、皆さんがこうして何度もうちまで来てくれて、自分の体調を気にかけてくれて、本当にうれしい。自分の存在に気づいてくれる人がいると思うとがんばれる。」このように感じてくださることを本当にうれしく思います。これからも皆さんが健康に、笑顔で過ごせるよう、活動を続けていきたいと思います。
※支援活動にあたっては、企業や団体、学校、個人の皆さまよりご寄付や物資のご提供などのご協力をいただいて行っております。すべての方々をご紹介することができませんが、何卒ご容赦ください。皆さまのあたたかいご協力に心より感謝申し上げます。
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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
緊急支援チーム(看護師) 関井 瑞穂
看護専門学校を卒業後、6年間看護師として病院で勤務。(茨城県出身)