東日本大震災(44):南三陸町で小学校の卒業式
被災地の卒業生に贈り物
4月29日、宮城県南三陸町の伊里前(いさとまえ)小学校で、1か月遅れの卒業式が開かれました。卒業するのは伊里前小学校の生徒と、2kmほど離れたところにある名足小学校の生徒、合わせて約40名です。太平洋に臨む名足小学校は津波の被害が大きく、母校で卒業式を開催することができないため、伊里前小学校での卒業式となりました。難民を助ける会の職員はこの卒業式に招かれ、卒業生全員に記念としてぬいぐるみとお菓子を贈りました。
伊里前小学校の卒業式が済むと、先生は生徒たちを校庭に連れて行きました。眼下には津波によって壊滅的な被害を受けた伊里前と歌津の街が広がっています。
「この光景を決して忘れないこと。ここは君たちの町。君たち自身が再建していかなければならない。」先生は卒業生たちにそう伝えました。
卒業式の後、難民を助ける会とピースプロジェクトは隣の歌津中学校で炊き出しを行いました。ここでは約250人が避難生活を送っており、その中には伊里前小学校の卒業生もいます。炊き出しの献立は、卒業祝いとしてステーキ、ミネストローネ、おでんという豪華版です。
生徒の一人は卒業式でこう語りました。「僕は震災以来ずっとおびえていました。でも、数日後、ボランティアの人たちが来て、支援物資も届き、助けられました。中学生になったら今度は僕が、おびえている人たちを助けてあげたい。」未来に向けて踏み出した若者たち。道のりは長いかもしれませんが、復興への歩みは始まっています。
※支援活動にあたっては、企業や団体、学校、個人の皆さまよりご寄付や物資のご提供などのご協力をいただいて行っております。すべての方々をご紹介することができませんが、何卒ご容赦ください。皆さまのあたたかいご協力に心より感謝申し上げます。
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