東日本大震災(49):マラソンランナー谷川真理が被災者の皆さまとリレー大会を開催
5月3日~6日、マラソンランナーの谷川真理(難民を助ける会理事・地雷廃絶キャンペーン大使)が、岩手県と宮城県の被災地を訪れ、支援物資の配付や炊き出しに参加。また、宮城県石巻市の東浜小学校で講演会やストレッチ教室を、同じく石巻市牡鹿半島の避難所でミニマラソン教室を開くなど、スポーツを通じて被災された方々を励ましました。
スポーツの力で元気と笑顔が溢れだす
宮城県石巻市牡鹿半島の保健福祉センター「清優館」で、こどもの日の5月5日(木)、谷川真理によるストレッチ、ジョギング、リレー走、ミニマラソン教室を開催しました。
清優館では、震災当初、約450名の方々が避難生活を送っていましたが、現在は、以前からこの場所に住んでいる障害者の方々、牡鹿町の役場職員の方々、一般の避難者の方々を合わせて約140名が避難生活を送っています。
今回のイベントは、なかなか体を動かす機会の少ない避難所生活を送る皆さまに楽しみながら運動をしていただこうと、谷川真理が提案。役場の安住栄一課長や職員の皆さまにもご協力いただき、下は4歳の男の子から上は76歳の女性まで幅広い年齢層の皆さまにご参加いただきました。
初めは、ストレッチから。谷川の動きに合わせようと、慣れない体勢に悪戦苦闘しながらも、笑顔や元気いっぱいの笑い声が絶えませんでした。参加された50代の男性は、「久しぶりに身体を動かして疲れた」と言いつつも、その表情ははつらつとしていました。
続いて、谷川から走るための正しいフォームや目線の位置、呼吸法などが指導されたあと、施設の周辺をジョギングしました。約500メートルの距離を何往復もするうち、一人また一人と脱落者が続出。谷川真理のあとを必死で追いながら走っていく子どもたちの姿は、とても逞しく、一生懸命な表情がとても印象的でした。
大人顔負けの子どもたちの走りっぷり
次は、2チームに分かれてのリレー走です。走っていた4歳の男の子の靴が脱げてしまい立ち往生していると、競争相手の男の子も一緒に止まって靴を履くのを待っているといった、微笑ましいハプニングもありました。
いよいよ最後は、ミニマラソンです。海の近くを通る約20分のコースを、佐藤瑞保さん(中2)、成田稜輝さん(中1)、村上海斗さん(小6)の3人と谷川真理が一緒に走りました。戻ってきた3人は、1時間以上走り続けているにも関わらず、まだまだ走りたいとやる気満々です。そこで、最後の最後に、難民を助ける会のスタッフ2人を含めた大人チーム対子どもチームでリレー走を行いました。
結果は、なんと子どもチームの優勝。見事な走りを見せてくれた3人からは、「楽しかった(佐藤さん)」、「谷川真理さんと走れて楽しくて、うれしかった(成田さん)」、「結構きつかった(村上さん)」との感想を寄せてくれました。谷川も子どもたちの粘り強さと溢れるエネルギーに驚きつつ、「明日からも、皆で楽しくリレーしたり、いっぱい走り続けてね」と励ましの言葉をかけると、子どもたちは恥ずかしそうに「はい」とうなずいていました。
今回のイベントでは、ご参加いただいた方々全員がお腹の底から声を出し、楽しそうに体を動かされていました。困難な状況での生活を強いられている皆さまの心と体を少しでもほぐすことができうれしく思います。物質的な支援はもちろんですが、スポーツを通して体や心をサポートする活動の大切さを実感したイベントでした。
※支援活動にあたっては、企業や団体、学校、個人の皆さまよりご寄付や物資のご提供などのご協力をいただいて行っております。すべての方々をご紹介することができませんが、何卒ご容赦ください。皆さまのあたたかいご協力に心より感謝申し上げます。
緊急募金にご協力ください
皆さまのお気持ちを、被災された方々に確実にお届けします。どうぞご協力をお願いいたします。
郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 広報・支援者担当 三戸淳子
2010年より東京事務局勤務。岡山県出身。