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東日本大震災チャリティコンサート「故郷」-来場者1,500人を超える大盛況

2011年06月02日  啓発日本
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被災地出身の音楽家たちが思いを込めて

被災地出身の音楽家たちが演奏

(前列左から)小林好夫さん、佐々木瑠璃さん、呼びかけ人の安藤友樹さんがウィンドオーケストラとともにZARDの「負けないで」を演奏しました

2011年5月20日、東京オペラシティ・コンサートホール(東京都新宿区)にて、東日本大震災緊急支援のためのチャリティコンサート「故郷」が開催されました。
宮城県石巻市出身の東京フィルハーモニー交響楽団トランペット奏者・安藤友樹さんが、甚大な被害を受けた故郷を支援するために開催を呼びかけ、それに呼応した恩師、東京藝術大学の杉木峯夫教授(トランペット)、松下功教授(指揮・作曲)らが実行委員会を結成。社会福祉法人さぽうと21と難民を助ける会が共催し、コンサートが実現しました。

本コンサートには、ウインドオーケストラ、合唱、パイプオルガン、ハープなど、合わせて100名近いプロの演奏家たちが、忙しいスケジュールの合間をぬってオペラシティに駆けつけてくださいました。「被災地の音楽支援ということなら喜んで」と、被災地出身の演奏家を含め、全員が無償で出演を引き受けてくださいました。また、作曲家、編曲家の方々をはじめ、多くの方々もコンサートの趣旨に賛同してくださいました。企画からわずか1ヵ月半という短い準備期間にも関わらず、1,500名を超えるお客さまにご来場いただく盛大なコンサートとなり、多くの方々が関心をお寄せくださったことが伺えました。

母と祖母を亡くした佐々木瑠璃さん「負けないで」

コンサートの冒頭では、震災の犠牲者のために黙祷が捧げられました。「祈り」と題された第1部では、松下功作曲による「祈りのファンファーレ」や、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」など、鎮魂の願いを乗せた楽曲が合唱やアンサンブルで奏でられました。
第2部「明日へのうた」では、岩手県陸前高田市の高校3年生、佐々木瑠璃さんがステージに上がりました。津波で母と祖母を亡くした佐々木さんが4月11日に自宅跡地でトランペットを吹く写真は、新聞にも掲載されました。この日のコンサートでは、4月11日に演奏した曲と同じZARDの「負けないで」をウィンドオーケストラをバックに演奏。「私が今日ここでトランペットを吹くことで、被災地の方々に応援が届けば」という佐々木さんの想いは、満席の会場に、そしてきっと被災地の方々にも届いたはずです。
コンサート終盤は、「この道」、「威風堂々第一番」、そして「故郷」などの名曲が演奏されました。アンコールの「故郷」には再び佐々木さんも登場し、客席の皆さまも合唱で参加して幕を閉じました。

最後は全員で「故郷」を演奏

客席の皆さまも一緒に「故郷」を合唱。会場がひとつになりました

司会の加藤タキ(左)と佐々木瑠璃さん

陸前高田高校の3年生の佐々木瑠璃さんが演奏前に挨拶。左は司会進行の加藤タキ(難民を助ける会副理事長)

本コンサートの純益(企業、個人からお寄せいただいた募金含む)は1千万円を超えました。ご来場、ご協力いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。この純益を使い、以下の5校(1小学校、3中学校、1高等学校)の吹奏楽部に楽器を寄付する予定です。

●岩手県陸前高田市立高田小学校
●宮城県石巻市立湊中学校
●宮城県石巻市立渡波(わたのは)中学校
●岩手県釜石市立釜石東中学校
●岩手県立高田高等学校

社会福祉法人さぽうと21ではさらに寄付金を募り、引き続き支援を行って参ります。

このコンサートは、東京藝術大学、同大学音楽学部同声会、東京佼成ウインドオーケストラ、株式会社下倉楽器、パール楽器製造株式会社の協力、サンキョー株式会社の協賛により開催されました。また、ボランティアで参加してくださったプロ奏者の皆さま、編曲家、その他たくさんのボランティアの方々にご協力いただきました。改めて心よりお礼申し上げます。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

東京事務局 秋葉 佳子

2002年12月から2004年7月まで難民を助ける会勤務。元ザンビア・アンゴラ事務所駐在。結婚後、夫の仕事の関係で中国北京に5年半滞在。帰国後2010年5月より復職。1児の母。趣味は旅行。(茨城県出身)

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