東日本大震災(71):震災から5ヵ月-これまでの活動実績
行政や現地団体と協力し、点から面の支援へ
難民を助ける会では、東日本大震災の被災者の方々のため、被災直後から支援活動を行っています。支援の手が届きにくい障害ある方々、ご高齢の方や福祉施設などへの物資の配付に加え、現在は福祉施設の修繕や車両の提供、炊き出し、コンテナハウスの設置などを行っています。また、リハビリテーションや保健・衛生活動、心のケアや地域交流イベントなどを通して被災地の方々の心身の健康を取り戻す「地域みんなで元気になろう」プロジェクトも開始しました。宮城県、岩手県の被災地の行政や現地団体との調整会議も開催しました。官民が一体となれば個々の「点」の支援がつながり「面」の支援となります。被災地のために協力して包括的な復興支援を行えるよう、今後も連携を深めてまいります。
皆さまのご協力を得て実施した、現在までの活動実績をご報告いたします。
支援物資の配付
3月14日(月)-8月4日(木)までの配付活動実績
配付した施設など | のべ891ヵ所 約73,816人 宮城県仙台市、石巻市、気仙沼市、名取市、登米市、東松島市、女川町、多賀城市、岩沼市、南三陸町、山元町、塩釜市、岩手県大槌町、大船渡市、陸前高田市、釜石市、山田町、福島県相馬市、南相馬市、山形県上山市ほか |
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被災地に届けた支援物資 |
軽油13,600リットル、灯油4,400リットル、ガソリン2,060リットル、水14トン、米2.5トン、みかん、バナナ各2トン、牛乳480パック、ようかん41,000本、野菜(じゃがいも約450キロ、人参約337キロ、玉ねぎ約853キロ、ほうれん草約249束、キャベツ476玉、大根345本、長ネギ約120キロ、ピーマン約4キロ、トマト約421袋、きゅうり、レタス、ピーマン、ニラ、茄子、いんげん、枝豆、南瓜、ごぼう、長いも、さつまいも、白菜、とうもろこし、小松菜など)、果物(小玉スイカ568個、グレープフルーツ、メロン、みかんなど)、卵124パック、ほか食品(レトルト食品、介護食、缶詰、みそ、しょうゆ、栄養補助食品など)、毛布1,000枚、下着・衣類・マフラー25,000枚、タオル・手拭い50,000枚、風呂敷3,000枚、マスク70,280枚、カイロ5,000個、寝袋3,400枚、かぜ薬など83箱、その他医薬品、歯ブラシ10,000本、紙おむつ60,232枚、尿とりパッド816枚、女性用衛生用品17,000個、乾電池段ボール80箱分、育児用品(離乳食、おしゃぶり、哺乳瓶、おしりふきなど)、高圧洗浄機32台、チェンソー30台、スコップ12本、長靴100足、絵本・本20箱分、クレヨン300セット、携帯電話充電器120個、パソコン27台、パソコンデスク1台、プリンター1台、自転車80台、台車1台、洗濯機15台、乾燥機21台、冷蔵庫16台、電話機3台、テレビ5台、ラジカセ4台、携帯ラジオ5台、たん吸引機2台、介護ベッド17台、折り畳みベッド2台、ベッド1台、車いす5台、介護いす4脚、シルバーカー(歩行補助車)15台、杖55本、発電機1台、包丁20丁、まな板20挺、カラーボックス13個、本棚1個、衣装ケース6個、除菌スプレー500本、ハンドソープ168個、老眼鏡100個、ぬいぐるみ、おもちゃ、アイロンとアイロン台各54台、扇風機53台、掃除機23台、炊飯器4台、食器乾燥機1台、布団乾燥機19台、除湿機14台、冷風機1台、電子レンジ3台、魔法瓶13台、デジタルカメラ2台、DVDデッキ1台、ビデオカメラ1台、反射式ストーブ5台、自動血圧計30台、体重計20台、輪転機2台、布団セット83組、マットレス50枚、シーツ35枚、タオルケット183枚、殺虫剤や虫よけスプレー、ハエ取りリボン、蚊取り線香、蚊帳など、トイレットペーパー(12ロール入り)15袋、洗濯洗剤、食器用洗剤、トイレ用洗剤、洗濯かご50個、ハンガー30個、掃除用バケツ50個、紙皿1000枚、ノート40冊、コピー用紙500枚、アルミホイル・サランラップ各60本、草刈り鎌10本、草刈り機1機、きゅうりの苗74本、トマトの苗82本、花の苗10本、網戸14枚、物干し竿、夏物衣類、長靴、サンダル、氷枕35個、ひんやりクールマフラー5,000枚、ビニールプール、栄養補助サプリメント2,000袋、傘4本、大正琴3台、電子ピアノ1台、ピアノ2台、キーボード1台、太鼓4個、ほか |
福島県の仮設住居・借り上げ住居に入居する全世帯(約35,000世帯)への生活必需品支援
ジャパン・プラットフォーム(JPF)※の助成を受け、ADRA Japanと共同で、福島県内の仮設住居・借り上げ住居に入居する全世帯(約35,000世帯)を対象に、生活必需品の支援を行っています(当会担当分は約17,500世帯)。被災地域では日本赤十字社が家電製品6点セットを配付することが決まっており、難民を助ける会が配付するのはそれ以外の生活必需品で、台所用品、お風呂用品、掃除機、こたつ机、食器棚など、福島県や地元自治体から要請に基づき選定しています。難民を助ける会が対象とするのは、福島県の浜通りと中通りの併せて13市町村(相馬市、南相馬市、新地町、飯館村、富岡町、川内村、郡山市、須賀川市、鏡石町、白河市、西郷村、矢吹町、泉崎村)です。地域の経済復興に寄与することを目的に、うち11市町村では地元の商店および商工会を通じて、可能な限り物資の調達を地元で進め、7月31日現在で、支援対象地域5,364世帯への配付が終了しています。
※ジャパン・プラットフォーム(JPF)とは、NGOと政府、企業が連携して自然災害時や難民発生時に緊急復興支援を行うシステムです。政府の資金拠出と企業、市民からの寄付で成り立っています。
福島県南相馬市への給食支援
福島県南相馬市では、福島第一原子力発電所の災害以降、原発から30km圏内(原町区、小高区)に住む小中学生は30km圏外の鹿島区の学校へバスで通学して授業を受けています。このため鹿島区では生徒・児童数が増加し、また地元の新鮮な野菜の調達が難しくなったため、給食を満足に供給することができなくなりました。そこで難民を助ける会では南相馬市の教育委員会と調整し、鹿島区に通う生徒・児童(約2,800名)を対象に、学校給食用に「野菜ジュース」と「お米」を提供しています。7月1日から22日まで、野菜ジュースは全生徒・児童に週2回提供、お米は毎日の給食に使用する計2トンを支援しました。
「地域みんなで元気になろう」プロジェクト
宮城県と岩手県沿岸部の被災地域で、障害者やご高齢者、在宅避難者、仮設住宅入居者など約3,000名を対象に、リハビリテーションサービスや巡回診療・保健活動、衛生活動、心のケア、地域交流イベントを行っています。これらの包括的な取り組みを通し、被災者の方々が心身ともに健康を回復し元気に活動ができるよう支援してまいります。
・リハビリテーションサービス
宮城県と岩手県の避難所、仮設住宅、高齢者施設、障害者施設、個人宅にて専門の作業療法士・理学療法士によるリハビリテーションを行っています。7月9日から7月28日までに、83名の方々へ訪問リハビリやマッサージ・体操を実施しました。
・巡回診療・保健活動
在宅避難者の多い牡鹿半島の牧浜、竹浜、狐崎浜、鹿立、福貴浦、小積浜、小淵浜の各地区で、住人約640人を対象に、地元の安田敏明医師を中心とした医療チームによる巡回診療と、慢性疾患の診察や感染症の予防、精神的なサポートなどの保健活動を行っています。4月9日から7月31日までに、のべ815名の方々の診察を行いました。
・衛生活動
宮城県石巻市と南三陸町の避難所の約1000人を対象に実施。地震発生後、避難所で長期間使用され汚れた布団や毛布、マットレスの天日干しを行うほか、夏場になり気温と湿度の上昇によるハエや蚊が大量発生し、衛生環境が悪化している避難所で大掃除などを行っています。布団乾燥機、掃除機、除湿機や掃除用品、防虫剤、殺虫剤(ハエ取りリボン、ダニアースなど)の配付や使用方法の指導を行うほか、古く汚れた布団は回収し、夏季用タオルケットや新品寝具も配付しています。また、冷蔵庫のない避難所には、食中毒を防ぐために冷蔵庫もお届けしています。6月14日より7月28日までに、23ヵ所の避難所で活動を行いました。
・心のケア
避難所や仮設住宅、個人宅にカウンセラーを派遣し、メンタルケアを行い震災ストレスの軽減を図っています。
・地域交流イベント
7月23日に宮城県七ヶ浜町の和光幼稚園のお祭りに参加しました。
炊き出し
難民を助ける会では、株式会社イングラムが実施する「ピースプロジェクト」と共同で、宮城県と岩手県の避難所などで炊き出しを行っています。この活動は3月31日から始まり、8月7日までに、以下の宮城県、岩手県、福島県の各地にて炊き出しを行いました。
炊き出しを行った場所 |
のべ59ヵ所 約22,191食 |
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炊き出しメニュー | 徳島ラーメン、おでん、ビーフシチュー、焼きそば、から揚げ、野菜スティック、中華丼、ビーフステーキ、オニオンスープ、マグロ丼、ちゃんこ鍋、アップルパイ、オニオンソテー、ミネストローネ、三色丼、あら汁、五目ひじき、さつま揚げ、ロールキャベツ、卯の花、炊き込みご飯、とん汁、煮魚、キャベツとほうれん草のおひたし、そうめん、つみれ汁、手作りスイートポテト、手作りラングドシャ、サムゲタン、焼き鳥、豆腐としめじの味噌汁、肉じゃが、小松菜のお浸し、ミートソースパスタ、ポテトサラダ、白菜・ニンジンとシイタケの味噌汁、菜の花のおひたし、いなりずし、そぼろと大根の煮物、かしわもち、白身魚フライ、大根味噌汁、根菜サラダ、フルーツゼリー、うどん、杏仁豆腐、肉野菜炒め、餃子、ボルシチ、あさりの味噌汁、タコマリネ、キャベツと小松菜の味噌汁、いかわさび、シーフードカレーライス(ホタテ・アサリ・エビ入り)、甘酒と和菓子、ほっけの炭焼き、かき氷、焼きとうもろこし、きつねうどん、お好み焼き、赤魚、大根おろし、浅漬け、うな重、粕漬け、ワカメとねぎの味噌汁、ほか |
障害者・高齢者施設の修繕・事業の再建支援
難民を助ける会では震災で被害を受けた高齢者施設や障害者施設が活動を再開できるよう、地元の建設会社と協力して、60ヵ所で施設の修繕を行っています。4月21日から7月31日までに、以下の14ヵ所の施設の修繕を完了しました。
・社会福祉法人みのり会るばーと(宮城県名取市)
・社会福祉法人信和会クローバーズピアワッセ(宮城県仙台市)
・社会福祉法人洗心会 夢の森 ワークショップひまわり(宮城県気仙沼市)
・社会福祉法人矢本愛育会ぎんの星(宮城県東松島市)
・社会福祉法人栗原秀峰会(宮城県栗原市)
・社会福祉法人ふれあいの森(宮城県仙台市)
・社会福祉法人陽光福祉会エコー療育園(宮城県仙台市)
・NPO法人自閉症ピアリングセンター ここねっと(宮城県仙台市)
・社会福祉法人豊心会大松学園(岩手県釜石市)
・NPO法人かまいし共生会 グループホームかみくり荘 (岩手県釜石市)
・社会福祉法人愛生会 障がい者支援施設吉浜荘 (岩手県大船渡市)
・特別養護老人ホーム 高寿園 (岩手県陸前高田市)
・社会福祉法人光林会 ルンビニー苑 (岩手県花巻市)
・社会福祉法人燦々会 あすなろホーム(岩手県陸前高田市)
全60ヵ所の修繕施設エリア
宮城県:37ヵ所(仙台市14ヵ所、白石市2ヵ所、気仙沼市4ヵ所、登米市1ヵ所、東松島市1ヵ所、名取市4ヵ所、栗原市1ヵ所、石巻市2ヵ所、塩釜市1ヵ所、山元町2ヵ所、南三陸町2ヵ所、蔵王町1ヵ所、丸森町1ヵ所、柴田町1ヵ所)
岩手県:23ヵ所(大船渡市4ヵ所、陸前高田市5ヵ所、釜石市6ヵ所、花巻市1ヵ所、大槌町2ヵ所、山田町2ヵ所、宮古市1ヵ所、田野畑村2ヵ所)
今後も、宮城県、岩手県の被災地域において、各県の福祉課、社会福祉協議会や関連するネットワーク団体と調整の上、障害者施設および高齢者施設の修繕を実施していきます。
車両の提供
福祉施設を利用する方々が移動するために必須の手段である車両を提供しています。これまでに、社会福祉法人洗心会のぞみ福祉作業所(宮城県南三陸町)にワゴン車1台を、特定非営利活動法人ハックの家(岩手県)に軽自動車1台を提供しました。
コンテナハウスプロジェクト
難民を助ける会では、国際ジャーナリストの菅原出氏を発起人として、組み立て式で設置の容易なコンテナハウスを被災地に送るプロジェクトを行っています。これまで宮城県牡鹿郡女川町に30棟を設置し、住居や店舗として活用されています。
「手作りトートバッグで被災地を応援しよう」プロジェクト
被災地の避難所や高齢者施設からの声を受け、手作りのトートバッグを募集しました。5月20日の締切までに、国内外から約5,000枚もの手作りバッグが届きました。難民を助ける会のメインキャラクター「サニーちゃん」のぬいぐるみストラップを、ボランティアがバッグに一つひとつ取りつけ、被災地の高齢者の方々を中心に順次配付を行っています。被災地からは、手作りのバッグはもちろん、バッグの中に入った応援メッセージに感激したとの声が寄せられています。
被災小中学校の精神的ケア(福島県相馬市)
相馬市内の被災小中学校や幼稚園児の精神的ケアを目的に相馬市の呼びかけで結成された「相馬フォロアーチーム」という団体を支援しています。
相馬フォロアーチームは、臨床心理士、精神保健福祉士、保健師を含む計6名のメンバーが、相馬市内の被災小中学校および幼稚園で、生徒・児童および保護者への精神的なケアを行っています。夏休み期間中は学校での相談日を限定し、仮設住宅の集会場でカウンセリングを行っています。今後は読み聞かせなどを行ったり、保護者の相談を受けながら、各々の家庭生活を把握し、2学期に備える予定です。
「被災地へ温泉を運ぼう」プロジェクト(終了)
難民を助ける会では、万葉倶楽部株式会社(神奈川県横浜市)や株式会社アセンディア(東京都品川区)などとの共同で「被災地へ温泉を運ぼうプロジェクト」を実施。初回の4月9日には神奈川県の湯河原温泉にご協力いただき、宮城県東松島市の避難所となっている矢本第一中学校、赤井市民センター、牛網小学校、浅井公民館の4ヵ所に配湯し、被災者の方々に温泉をご提供しました。4月12日からは宮城県の鬼首温泉のご協力で、東松島市の矢本一中(移転先が2箇所に分散)、牛網コミュニティーセンター、赤井市民センター、浅 井公民館、宮戸小学校と、石巻市の石巻祥心会の計6ヵ所に対して日曜日を除く毎日配湯され、1日500~600人の被災者の方々に入浴いただきました。当プロジェクトは、5月末で終了しました。
巡回バスの運行(終了)
難民を助ける会では大型バスが通行できなくなった宮城県石巻市牡鹿半島で、被災された方々の交通の便を確保するため、萩浜地区で1日2便、鮎川地区で1日1便、小型車両による巡回バスを運行しています。4月10日からこれまでに、荻浜地区ではのべ530人、鮎川地区ではのべ220人の方にご利用いただきました。交通網の復旧作業が進み、震災前の運行車両が通行可能となったため、当プロジェクトは6月4日に終了しました。
※支援活動にあたっては、企業や団体、学校、個人の皆さまからのご寄付や物資のご提供などのご協力、およびジャパンプラットフォーム(JPF) からの助成を得て行っています。すべての方々をご紹介することができませんが、何卒ご容赦ください。皆さまのあたたかいご協力に心より感謝申し上げます。
緊急募金にご協力ください
皆さまのお気持ちを、被災された方々に確実にお届けします。どうぞご協力をお願いいたします。
郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会
*通信欄に「東日本大震災」とご記入ください。*領収証が必要な方はその旨お書きください。
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