活動ニュース

東日本大震災:避難所や仮設住宅での暮らしを少しでも快適に

2011年09月28日  日本緊急支援
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東日本大震災の被災地では、今も多くの方が自宅に住むことができずに、納屋や体育館、仮設住宅で落ち着かない生活を続けています。暑くじめじめした夏やこれからの厳しい冬にも皆さまが健康で少しでも快適に過ごせるよう、支援活動を進めています。

※この活動はHOPE FOR JAPANからのご寄付により実施しました。

夏を迎えた被災地で衛生的に過ごせるように

避難所となっている納屋の中で、永井萌子と避難者の方

「この納屋の2階は日中気温が上がり夜も暑い。このすだれで日中の日差しを遮ることができます。」(2011年7月20日、左は難民を助ける会の永井萌子)

7月中旬、震災から4ヵ月が経った被災地にも梅雨が来ました。3月から各地の避難所で使われていた布団や毛布は、これまで洗濯することも干すこともできない状態が続いていました。畳には湿気がこもり、ダニが発生したり、カビが生えてしまったりしているところもあります。また、気温が上がるにつれて避難所周辺でハエや蚊が発生し、不衛生な環境になっていました。

そこで難民を助ける会では、宮城県の石巻市と南三陸町で避難所を訪問し、衛生状態改善のための活動を行いました。まずは大掃除。避難所の方々と一緒に震災直後から敷きっぱなしの布団やダンボールを動かして部屋を掃除し、汚れた布団は回収して新しい夏布団やタオルケットをお渡ししました。同時に布団乾燥機や除湿機を配付して、今後も皆さまが快適な環境で過ごせるようにしました。

牡鹿半島の避難所で、難民を助ける会の関井瑞穂

宮城県牡鹿半島の避難所に殺虫剤などをお届けした難民を助ける会の関井瑞穂(右端、2011年7月20日)

また、害虫対策として殺虫剤や防虫剤をお配りした他、必要な場所では網戸や蚊帳、食品を保存するための冷蔵庫、直射日光をやわらげるすだれも設置しました。避難所の方々にお話を伺うと、「布団は震災後一度も干していなかったので、布団乾燥機は非常に助かる。」「市から防虫用品の配付があったが、数が足りなかった。ハエや蚊も多くなってきており、タイムリーに物資を提供していただき、本当にありがたい。」とのことで、厳しい避難生活のなか、少しでも生活環境の改善に役立ったのではと思います。

仮設住宅に冬の備えを

仮設住宅の集会所で、ヒーターを前に皆さまと

「石巻の電気店ではヒーターは3ヵ月待ちと言われました。この時期にヒーターをいただけて安心して冬を迎えられます。」(後列左端は齋藤えりか。2011年9月7日、石巻市鮎川浜にて)

9月には、石巻市牡鹿半島の仮設住宅の方々にヒーターをお届けしました。仮設住宅の壁は薄く、すでに朝晩は冷えるようになってきたという声も聞かれますが、被災地ではヒーターが品薄になっており、これから迎える本格的な冬をどう過ごすか、避難者の方々が心配していました。そこで難民を助ける会では鮎川浜の仮設住宅の80世帯にヒーターを配付。高齢者の多いこの地域でも、皆さまが暖かく冬を過ごせるようになりました。

今回のヒーター配付をきっかけに、仮設住宅の取りまとめ役の方を決めていただきました。今後、仮設住宅内での交流を進めていただくきっかけになるのではと思います。

7月13日から9月7日までに、9ヵ所の避難所で計965名の方々に支援物資をお届けしました。難民を助ける会では、今後とも、被災地の皆さまが少しでも快適に、健康に、冬を過ごせるよう、支援活動を続けてまいります。

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

仙台事務所 齋藤 えりか

2011年4月より仙台事務所で医療支援事業に従事。

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