トルコ地震:支援物資の配付を開始しました
10月23日に発生したトルコ東部の大地震。26日に現地入りした難民を助ける会の緊急支援チームは、11月1日より、被害の大きかったワン県ワン市内のディベクデュズ村で支援物資の配付を開始しました。緊急支援チームの近内みゆきからの報告です。
朝夕氷点下近い寒さの中で避難生活をおくる人々
被害が甚大だったワン県の中でも、トルコのメディアで連日報道されるエルジシュ地域にくらべ、支援の手が届いていない村々がまだ数多くあります。ワンの災害対策本部によると、ワン市では、53世帯160人が住むモラカスム村ですべての家が倒壊したのをはじめ、92村中87の村の家で一部が壊れたり、ひびが入るなどの被害が出ています。被災者には赤新月社からテントの支給はあっても、テント内は地面の上に直接毛布を敷いただけ。朝夕は氷点下近くまで気温が下がり底冷えがする中、人々は過酷な避難生活を強いられています。
「ゆりかごに寝ていた生後4ヵ月の妹を失いました」
難民を助ける会では、被害が大きいながらも支援の手が届いていないディベクデュズ村(51世帯・301人)、イェシェルス村(247世帯・743人)、 ギョリュ村(64世帯・336人)への支援を決定。1世帯当たりの配付物資は、村から要請のあった米10kg、油2kg、鶏肉1kgのほか、砂糖750g、豆2.5kg、マカロニ1kg、トマト缶1缶、塩1.5kg、茶500g、ビスケット1箱、生理用品3パック、石けん1kg、下着(男女各2セット、子ども用4セット)、タオル2枚です。
18人が死亡し14人が怪我を負ったというある村の住人で9人家族のヒジュレット・カルタルさん(17 歳)は、地震で自宅が崩れ、ゆりかごの中で寝ていた4ヵ月の妹を失いました。母親は頭と腰を強く打ちアンカラの病院に入院中といい、「早く会いたい」と言います。
ディベクデュズ村では地元の男性らが炊き出しをしており、あどけない表情の子どもたちが、ごはんやスープを受け取っていました。私たちを見ると、興味深そうにニコニコしながら寄ってきて、「ハロー、ハロー」などと声をかけてきます。しかし、そんな子どもたちの手はガサガサに荒れ、乾燥して割れた唇には血がにじんでいました。
難民を助ける会では引き続き地震被災者への支援を行ってまいります。
※この活動は皆さまからのご寄付に加え、ジャパン・プラットフォームの助成を受けて実施しています。
緊急募金にご協力ください
被災者支援のための募金の受付を開始しました。どうぞご協力をお願いいたします。
郵便振替: 00100-9-600 加入者名: 難民を助ける会 |
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【報告者】 記事掲載時のプロフィールです
東京事務局 近内 みゆき
難民を助ける会プログラム・コーディネーター。2011年10月より東京事務局勤務。大学時代に東西を結ぶ要衝に位置するトルコに興味を持ち、大学院ではトルコのEU加盟や移民問題などを学ぶとともに、トルコ、北キプロスで現地調査を行った。記者として新聞社に5年半勤務した後、難民を助ける会へ。(福島県出身)