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東日本大震災:人工呼吸器を使う障害者の方々に発電機を届けています

2011年12月27日  日本緊急支援
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停電時に命をつなぐ発電機

まなちゃんを囲んで、お母さんと難民を助ける会の職員

人工呼吸器が手放せない茉奈ちゃん(5歳、中央)のお宅に、ガスボンベで動く家庭用発電機をお届けしました。右から2番目は母親の永浦典子さん、左端はこの活動にご支援をくださったドイツの支援団体「アクション・メデオール」のヤン・グルースさん(2011年10月21日、宮城県名取市)

東日本大震災の影響で広範囲で停電が続いたとき、重度の心身障害のために人工呼吸器を使っている方々は大変深刻な状況に陥りました。呼吸器や痰の吸引器が使えないことは、すぐに命の危険につながります。

宮城県加美町の関文哉くん(9歳)のお母さまは、地震当日の様子について次のように話してくださいました。「揺れている間にベッドと呼吸器がずれてチューブが抜けそうになりました。たまたまその時はヘルパーさんが2人いたので、チューブを押さえてもらって何とかなりました。もう少し地震の来るのが遅かったら、ヘルパーさんは帰られていたので、危ないところでした。4月7日の余震でまた3日間停電していたときは、車のバッテリーや近所の方に借りた発電機をつないで、何とか呼吸器を動かしていました。」

今後も余震などが原因で停電の起きる可能性は残っており、またあのようなことが起きたら、と、同じ境遇にあるご家族の多くが不安を抱えています。しかし、自宅用の発電機は高額で、自宅で暮らす障害者の方々には行政からの補助もありませんでした。そこで、難民を助ける会では10月から、岩手県と宮城県で、重度の心身障害があり人工呼吸器を使用しているお子さんがいる家庭と施設に計113台の家庭用発電機を配付しています。ガソリンまたは卓上コンロ用のガスボンベで作動する発電機で、ガソリンタンクや予備のガスボンベも合わせて提供しました。配付の際には発電機の使い方についても説明しています。この発電機があれば、停電の際も、人工呼吸器、痰の吸引器や介護食用のミキサーなどを動かすことができます。発電機を受け取った皆さまからは、「これなら私でも使えます」「もしまた何かあっても、これで安心です」などと感謝の声をいただきました。また、今回の配付をきっかけに、岩手では重症心身障害児のご家族同士のつながりも生まれています。発電機を使う機会はあってほしくないですが、皆さまに安心を届けられたのではと思います。

今回の活動は、皆さまのご支援に加えて、ドイツの支援団体、アクション・メデオール、イスラミック・レリーフ・ドイチュラント、アクション・ドイチュラント・ヒルフトからのご支援を受けて行いました。難民を助ける会では今後も被災地で、障害者の方々が支援から取り残されることのないよう、活動を続けてまいります。

岩手県立療育センターにて

岩手県盛岡市県立療育センターの重症心身障害児通所施設「かがやき」にて、日向さん(前列右)と菅原さん(前列左)に発電機をお渡ししました。岩手県での配付にあたっては、この県立療育センターと、「岩手県重症心身障害児(者)を守る会」と連携して活動しました(2011年11月22日)

屋外で発電機の使い方を説明する横田裕之

いざというときに迷わず使えるよう、発電機の使い方について実演を交えてお伝えしています。左は盛岡事務所の横田裕之(2011年11月11日、岩手県盛岡市)

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

盛岡事務所 横田 裕之

2011年4月より盛岡事務所勤務。大学卒業後、民間企業を経て難民を助ける会へ。現在、障害者福祉とコミュニティ政策を勉強しながら、岩手県の復興に従事。(岩手県出身)

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