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東アフリカ地域干ばつ:ケニア・ムインギ県で食料と生活用品を配付しました

2011年12月28日  ケニア緊急支援
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物資を受け取る

支援物資を受け取りに来た人々。左は駐在員の長島千野(2011年11月30日、ムインギ県キューソ郡)

難民を助ける会は、8月から東アフリカ地域干ばつ緊急支援を行っています。これまでに、ケニア北東州のガリッサ県で食料・生活物資の支援、ソマリア国境に近いダダーブ難民キャンプの小学校で、教室用テントの設置や教材の配付を行ってきました。しかし、10月に難民キャンプ内で国際NGO職員の誘拐事件が発生し、また11月には、ガリッサ県で手榴弾爆発事件が起こり、職員の安全確保が難しくなったため、ガリッサ県から西へ約150kmに位置するムインギ県キューソ郡に活動地を移し、支援物資の配付を行いました。

高齢者、障害者がいる世帯を優先的に物資をお届けしました

国土の半分以上を半砂漠ないしは砂漠地帯が占めるケニアの中でも、ムインギ県キューソ郡は特に乾燥している地域に属しています。今回の干ばつでも大きな被害を受けました。過去1年間でまとまった雨は1回しか降っておらず、遊牧と農業を主な生計手段とする住民の多くが生きる糧を失い困窮しています。干ばつで作物が育たないうえに一時は食料の価格が例年の約2倍まで高騰し、食べ物を手に入れることが困難な状況でした。そこで難民を助ける会では、11月30日にムインギ県キューソ郡のマセキとキセウニで、特に高齢者、障害者がいる世帯を優先しながら、食料と生活用品を約500世帯に配付しました。

キセカさんの手を引く長島

カウキ・キセカさん(右)と娘のスミティ・キウニさん(中央)。二人とも視覚障害があります。左は駐在員の長島千野(11月30日、ムインギ県キューソ郡マセキ)

カウキ・キセカさん(81歳)は、子どもと孫を合わせての10人家族です。息子さんが農業をして生計を立てていましたが、干ばつが起きてからは生活が苦しくなりました。9月に別の団体から支援物資を受け取って以来、食料などの配付がなかったそうで、「今回、食料をもらって助かる。日本の団体がわざわざここまで来てくれるとは思わなかった。ありがとう」と話してくれました。

配付物資の内容(1世帯あたり):米10キロ、スパゲッティ2キロ、小麦粉3キロ、豆3キロ、砂糖1キロ、塩500グラム、食用油1リットル、トマト缶2缶、茶葉500グラム、バケツ、ポリタンク、女性用生理用品、石けん3つ、ビニールシート

次の干ばつに備えるための支援を

10月から雨季に入り、主食のメイズ(穀物の一種)などの作物を栽培できるようになりましたが、収穫できるのは1月で、その1月からは再び乾季になってしまいます。作物はすぐに育つわけではなく、失った家畜も戻ってきません。干ばつ被害は、人々の生活にじわじわと影響を及ぼします。

東アフリカ地域では過去10年の間に3度も深刻な干ばつが発生し、人々や地域の対応力も限界に達しています。難民を助ける会では、今後の干ばつによる被害を少しでも軽減できるよう、給水システムの整備や給水タンクの設置などの支援を行いたいと考え、現在調査を進めています。引き続き皆さまのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

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キャンビ・キトゥヨさん(66歳):息子と孫2人と暮らしています。「ヤギが5匹いたが、干ばつで5匹とも死んでしまった」(2011年11月30日、ムインギ県キューソ郡)

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ジェームス・ムショーカさん(77歳、右):妻、息子夫婦、孫9人の13人家族です。「干ばつが起きてから食料が高くて買えなくなってしまった。政府から毎月メイズ(ケニアで主食とされる穀物の一種)4キロが支給されるが、それだけでは足りない」(2011年11月30日、ムインギ県キューソ郡)

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配付を待つ人々。中央は駐在員の河野洋(2011年11月30日、ムインギ県キューソ郡)

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ケニアの伝統的な布「カンガ」で受け取った支援物資を運ぶ(2011年11月30日、ムインギ県キューソ郡)

【報告者】 記事掲載時のプロフィールです

ナイロビ事務所 長島 千野

2011年10月よりケニア駐在。米国の大学で経営学を専攻し、卒業後日本でメーカーに5年間勤務。子どもの人身売買や児童労働問題に取り組むNGOのカンボジア駐在を経て難民を助ける会へ。

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